菩薩ってなんか遠い目してるじゃん。あれたぶん誰かの苦しい話を聞きながら別のこと考えてるよ。誰かの心を支えるというのは、自分の心を削ることでもあるんです、でも削ったぶんがそのまま相手の心に上乗せされるわけでもないので、共倒れになることもある…
田原 もうすぐ津波が来る、その大騒ぎのなかで、よくぞ協力し合えるものですね。猪瀬 ふだんから訓練していたからでしょう。取材を進めてみてよく分かりましたが、近所の住民たちの結束力がとにかく強い地域です。製氷工場や魚の加工工場などが多い一帯で、…
目的地に到達することだけを優先し、到達するまでのプロセスは無意味であると切りすてたとき、人は自分では気づかない重要な何かをうしなっている。便利であるということは、言いかえれば、目的を達成するまでの労力を省くということである。この省かれた労…
太宰治心中事件の謎は、死後、半世紀を経たいまも封印されている。「井伏さんは悪人です」が、太宰の自殺にどう関わっているのか。死ぬ直前に溢れ出た想いが遺書に込められたとすれば自殺の動機に含めぬわけにはいかぬ。(猪瀬直樹『ピカレスク 太宰治伝』文…
「食べること」が困難になった後の経験について、私が長々と書いてきたのも、何か文句や主張があるからではなく、「経験しなければわからないこと」について、書けることだけでも書くことで、そのほんの一部だけにしろ、経験していない人にも伝わったとした…
外崎 炭治朗にとって、煉獄は彼の人生を変える大事な存在になっていきます。煉獄の言葉や表情、アクション、そして生き様を観ていただきたいです。(映画パンフレット『鬼滅の刃 無限列車編』アニプレックス、2020) おはようございます。昨日、映画『鬼滅の…
川端は孤児という劣等感に苛まれている。劣等感だけでなく、孤児ゆえに他者との距離感がわからない。父親や母親、兄弟や姉妹というものがわからないから、友人との心を許した交わり方も心得ない。自然の生態系から拒絶されている。孤独である。だがもはや孤…
土にクワを入れた。クワを持ったのも初めてだった。でもクワともなぜかウマがあった。どう耕せばいいかということがすぐにわかったのだ。わかったというか、土から受ける何かを感じた。土を耕しているのは僕だけじゃなくて、土もまた、何か別のものに変わろ…
バラバラに見える人たちを何らかの指標で一般化し、理解する方法が、人工知能的理解です。特定の指標によって、個人の多様性がコミュニティでの立ち位置と理解され、その表現に成功すると、それ以外の指標や文脈の可能性は排除される。これで十分理解可能で…
「オールタナティブ」という言葉には、「何かに取って代わる」とか「もう一つの別のやり方」というような意味合いがあります。ですから、オールタナティブ教育というのは、既存の教育に取って代わる別の教育、という意味です。ここで既存の教育といわれるの…
ごみで走るクルマ「デロリアン」を映画に登場させた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの制作陣は、「循環型社会の到来」を思い描いていたに違いない。 そう思って、「2015年10月21日」までに、現実を映画に追いつかせたいと、かねがね考え…
原敬の暗殺を予期した人物がいた。 殺される八ヶ月ほど前、原は日記に、暗殺の危機を説く男の来訪を記している。大正十年二月二十日夜の来訪者は岡崎邦輔と平岡定太郎である。(猪瀬直樹『ペルソナ 三島由紀夫伝』文藝春秋、1999) こんばんは。今日は運動会…
よく考えてみれば、世の中の仕事というのは、誰か決まった一人の人間が、毎日まるまる8時間働かなければならないようなものばかりではありません。週のうち半分くらいでよいものもあるでしょうし、事務や秘書などの仕事は、うまく調整すれば、二人で交代で…
個別の違いに応じる体制がこれほど広く実現していた裏には、1970年代の教育改革が影響しています。学年ごとの必修課題をやめ、小学校終了時の目標を「中核目標」としたことで、学校は学年にこだわらず一人ひとりの発達のテンポに合わせられるようになっ…
あらためて確認すると、ここでいう社会設計の目標は、社会の存続と両立しないような幸せ観の、背景にある感情や感覚の枠組を、社会環境を通じて取り除いていくことです。「他人の不幸せと無関係に成り立つ自分の幸せがあるという感覚」や「他人の理解や承認…