2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧
天皇をミカドという言葉に置き換えてみると、さながら外国人のように日本及び日本人の特殊な生態をつかみとることができはしまいか。 ついでに、彼らの鏡に映じた天皇制の痕跡を丹念に蒐集したらどうか。 そう考えて、僕はヨーロッパを「巡遊」したのだった…
私にとって善いものとは、私とうまく組み合わさって私の「活動能力を増大」させるものです。そのことを指してスピノザは、「より小なる完全性から、より大なる完全性へと移る」とも述べます。完全性という言葉もこのような意味で使い続けようというわけです。…
そもそもいまでも、学校から会社や組織に入ったときに、すごく「段差」がある。学校とリアルな社会では賢さの定義が違います。高校までは、教科書の範囲内で問題が与えられ、一人で解ければいい。これが学校での賢さです。でも、リアルな社会は違う。高度に…
このような演繹型思考で組み立てられた教育政策は、「現場に下ろす」ことが不可避となる。それゆえ、現場の理解が求められ、理解を進める「周知・徹底」が教育改革の重要な役割を担う。政策がうまくいかないのは、「周知・徹底」がうまくいかなかったからか…
しかし、これからの学校の働き方改革では、教育効果があるもの、子どものためになることのなかからも、一定の優先順位を付けて、選択していくことが必要となってくると思います。具体的には、採点・添削の効率化、行事準備や清掃指導の見直し・短縮、部活動…
何が言いたいかというと、映画祭も、放送局も、またいま問題になっている日本学術会議にしても、いわゆる「公共」的な場における表現の自由とか、放送の自由、学問の自由というのは、やはり権力からの自由だと思うのです。 権力の介入をさせずに、純粋に、忖…
するとほどなく、朝日新聞にこんな論調の記事が載った。テロの原因は貧困にある。武力による報復ではテロを根絶できない。テロをなくすにはまず貧困をなくさなければならない。 それを見たとき、私の中から自分でも驚くほどの怒りが湧いてきた。 机上の空論…
若いときには、ひとはだれでも世界を変えたいと思っています。でもそれはオルタナティブでありたいという思いとは関係ない。若者は先行世代を追い出せば業界が変わると考える。でもじっさいにはテレビも新聞もつねに新しいコメンテーターを必要としているし…
東 僕はこの本を読んで、昔の猪瀬さんに久しぶりに会ったように感じました。高校生の頃、『ミカドの肖像』で猪瀬さんを最初に知り、それでファンになりました。あのノンフィクションは、東京をよく見るとプリンスホテルがいっぱいあるけど、あれは何だろうと…
鹿島 このコロナ禍で僕が一番困ったなと思っているのが、留学にしろ旅行にしろ、海外に行けないから、自分の価値観がひっくり返るような体験をできなくなっていることです。僕は大学でいつも言っているんですが、一つしか知らないと何も生まれない。比べるも…
父は、私に「標準的な答え」を与えようとはしませんでしたし、そんな答えがそもそも存在すると思っていなかったようです。あらゆる思考の機会で、一見標準的な答えのように見える場合、そこには必ずいくつかの前提条件が必要であって、その条件を満たしてい…
仮に我々に、お金と暇があったら、どうするでしょうか。あなたの国に行ったり、欧州をくまなく歩いたりするでしょうか。そんなことしないと思いますね。多分、その山の向こうにさえ滅多に行くことはないでしょう。普段と大して変わらない暮らしをしている気…
僕はこれまで、著書やSNSで「考え方」について述べてきました。でも、その前に、正しい知識は正しい知識として、ちゃんと伝えていかなくては、と思うようになりました。(ひろゆき『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』三笠書房、2020) こん…
文章とは何かというと、引用ができるか、内面に浮かんだことを、すでにある作品の表現や事実に結びつけられるかどうかがすべてです。引用をするためには読書が必要です。ある現象のバックグラウンドがわからなくては、いま起きていることとつなげることがで…
テイクを重ねてもうまくいかなかったある時に、幹人君から役の内面について詳細な説明を求められた時は気が引き締まる思いがし、撮影が続く内に彼が立派な役者へと成長していくのを感じた。(劇場用パンフレット『アイヌモシリ』大秦株式会社、2020) おはよ…