田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

養老孟司 著『子どもが心配 人として大事な三つの力』より。認知機能、共感する力、自分の頭で考える人になる。大人も心配。

養老 何もかも手に入るわけではないけれども、生きているだけで満足できる。そんな状況を、生まれてくる子どもたちに対してつくってあげないといけないでしょう。何も難しいことではありません。親が子どもに対して「あなたたちが元気に飛び跳ねていてくれれ…

鶴見済 著『人間関係を半分降りる』より。友人から一歩離れ、家族を開き、恋人をゆるめる。そうすれば気楽になれる。

物書きを始めた90年代に出したすべての本の底流に、この感覚を織り込んだつもりだ。 例えば『完全自殺マニュアル』という本で言った、「いざという最悪の時には死ぬことだってできるのだと思えば、楽に生きていける」。それはこのあきらめの力を生かすひと…

猪瀬直樹 著『死者たちのロッキード事件』より。歴史は繰り返す。ヘロドトスが予言し、猪瀬さんが固めた。

ロッキード事件は、戦後のさまざまな政治的事件の中でも、とりわけ戦後日本の政治構造をむきだしにしてみせた出来事だった。1976年2月、アメリカ上院外交委員会の多国籍企業小委員会は、ロッキード社が日本に対する旅客機と対潜哨戒機の売り込み工作に…

妹尾昌俊・工藤祥子 著『先生を、死なせない。』より。敵は義務教育標準法にあり。

もっとも、義務教育標準法ができた1958年当時は、1コマの授業にだいたい1時間程度の授業準備がかかるであろうという前提で文部省はいたことが、国会答弁でも明言されています。 現在の公立学校教員の1週間の勤務時間は38時間45分なので、仮に1週…

猪瀬直樹 著『禁忌の領域』より。政治と反社という「禁忌の領域」の存在を預言していたタイトル。ニュースの考古学って、すごい。

取材に受け応えしながら、いっぽうでこの女性の年齢はどのぐらいなのだろうと思いめぐらせていた。年齢を訊くのは失礼なので、あとで調べた。五十八歳とわかった。 日本で五十八歳の現役女性記者が何人いるだろうか。しかもテーマを見つけたら、さっとニュー…

岡崎勝、宮台真司 著『こども性教育』より。人間関係は酒と同じ。「いい恋愛」をするには、どうしたらいいの?

さて、ここまでのお話でみなさんがいま、どういう社会で生きているのかということがよくわかったと思います。 人間関係が空洞化して「孤独」になってきた。「孤独」ゆえに、心を病んだり、警戒的・攻撃的になったりする。だから人と仲よくなれない。そうした…

川村元気、近藤麻理恵 著『おしゃべりな部屋』より。片づけの目的は、自分がときめくものを見つけることにある。学校がときめくスクラップの魔法。

さまざまな家の本棚を見るたびに、わたしは思う。本というのは、持ち主の願望そのものだと。「食べてはいけない」「買ってはいけない」「信じてはいけない」そんな恐怖が並ぶ本棚もあれば、「こういう自分になりたい」「こんなことをやってみたい」という願…

時松哲也・山田眞由美 著、西川純 編集『仕事はここまで削減できる! 学校改革スタートブック』より。仕事はもっと削減できる!

早晩、担任がいなくて成り立たなくなる地域は生まれます。そうなったら、大分大学教育学部付属小学校のような改革をせざるを得ません。 例えば、部活は規模を縮小し、社会体育に移行するでしょう。部活命の教師は自宅近くの社会体育の指導者になるのです。登…

久保明教 著『機械カニバリズム』より。教室に他者を。教室に変化を。

将棋ソフトはまずもって、棋士が育んできた将棋観を揺るがす異質な他者として現れた。棋士が鍛えてきた精緻な物語的思考。それが人間の思考に一定の制約を与えるものでもあることが、流れを考慮しないソフトの数値的思考と関わるなかで明らかになったのであ…

木村大治 著『見知らぬものと出会う』より。もしも宇宙人みたいな子どもと出会ったら。

「あいつは宇宙人だ」と言われる人物はたくさんいるが、ここではまずその代表として、元首相の鳩山由紀夫氏に登場していただこう。グーグルで「鳩山由紀夫 宇宙人」で検索をかけると、約24万5000件のヒットがある。この比喩は広く日本人に共有されてい…

大澤真幸、平野啓一郎 著『理想の国へ』より。憂国。労働時間の抑制なくして、理想の国なし。日本を愛するがゆえにこそ。

これは、僕の「分人主義」の発想にもつながる話です。労働者としての比率が個人の中でどの程度の割合なのか。それが政治主体はじめ、消費主体、あるいは家族といるときの自分、恋人や友人といるときの自分・・・・・・など、私的な分人を圧迫してしまうと、政治行…

岩崎夏海 著『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』より。下手な研修よりも『もしドラ』を。

「そもそも、ぼくはなぜ『もしドラ』を書いたのだろう?」 その理由は、もちろん一つではなかった。あまりにも多すぎて、それを一冊の本(『「もしドラ」はなぜ売れたのか?』(東洋経済新報社)にまとめたくらいだ。 ただ、一番の理由は、「ドラッカーの『…

小川さやか 著『「その日暮らし」の人類学』より。今を豊かに生きるには? キリギリスの世界線を覗いてみる。

日本では、終身雇用や年功序列賃金制度が期待できなくなっても、仕事をやめないことを美徳とするのが主流である。このような価値観は、景気が悪化し、非正規雇用やワーキングプアなどの格差問題が顕在化した現在、ますます強くなっているようにも感じる。し…

猪瀬直樹 著『ニュースの冒険 「昭和」が消えた日』より。日々のニュースを、歴史の篩にかけて揺すってみる。

「昔、父親から、日本に帰りたいと思うな。二、三日は親も兄弟も大切にしてくれるが、彼らだって食うにせいいっぱいなんだ。それに朝鮮人と結婚していると差別されるぞ。アメリカ人と結婚して生まれた子供でも石を投げられたりする。差別のないロシアで生き…

田内学 著『お金のむこうに人がいる』より。お金の話を突きつめて考えたら、道徳の話に近づいた。結局、人。やっぱり、教育。

年金問題を話すときには、「1人の高齢者を⚫人の現役世代で支えている」という話をよく聞くのに、「1人の子どもを⚫人の現役世代で支えている」という数字を目にすることがほとんどない。1人の女性が産む子どもの人数しか気にしない。 現代の社会では、高齢…