田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、旅行、映画」

本間浩輔、中原淳 著『会社の中はジレンマだらけ』より。人生もジレンマだらけ。時短の問題は、みんなの問題なのだ。

中原 部下育成には原理原則があります。人材開発研究で明らかになっている「人を育てる原理」とは、端的に述べるならば「マネジャーがリスクを取って部下に仕事を任せて、適切なタイミングでフィードバックをすること」、これに尽きます。この場合のリスクは…

浜屋祐子、中原淳 著『育児は仕事の役に立つ』より。もしも長時間労働が存在しなかったら、世界はどうなる?

中原 やはり、労働時間短縮がどの企業も共通テーマとなっていることが大きいですよね。結局、産休育休を取りやすい、といったファミリーフレンドリー系の施策をやるのと同時に、長時間労働の問題に手をつけなければ、夫の育児参加も、女性の両立支援も難しい…

為末大、中原淳 著『仕事人生のリセットボタン』より。踊り場での格闘、方向転換する覚悟、リセットボタンを押す勇気。

私たちは「右肩上がりの単線エスカレータに乗って組織キャリアを全うできる時代」に生きているのではない。むしろ「右肩上がりの単線エスカレータ」は多くの人々にとって存在してはいない。 途中で「踊り場」があったり、「方向転換」があったり、私たちは「…

遠野遥 著『破局』より。メタファーとしての「わたしのメダカ」と「わたしたちのメダカ」。

生き物係、と私はすぐに答えた。教室で飼っていたメダカの世話をするのは麻衣子の仕事で、私は麻衣子がメダカに餌をやるのを時々隣で見ていた。麻衣子は常に、決められた間隔で、決められた量の餌をやった。水槽に少しでも異状があれば教師に相談して改善を…

映画『お名前はアドルフ?』(ゼーンケ・ヴォルトマン 監督作品)より。名は体だけでなく、親も表わす?

「名前とは虚しきもの」とは、「ファウスト」第一部の中で、主人公ハインリヒ・ファウスト博士が言った言葉だ。ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテは1808年にこれを書き、名前がその人物や事柄を表わすわけではないことを言葉に表わした。ウィリアム・シェイク…

村上春樹 著『一人称単数』より。一人称単数として生き続けるためには、二人称や三人称が大事。

私のこれまでの人生に――たいていの人の人生がおそらくそうであるように――いくつかの大事な分岐点があった。右と左、どちらにでも行くことができた。そして私はそのたびに右を選んだり、左を選んだりした(一方を選ぶ明白な理由が存在したときもあるが、そん…

映画『インディペンデントリビング』(田中悠輝 監督作品)より。どん底にいる人たちの人生変えられたらおもろいで。

哲学者の内山節は「関係が価値を生みだす」と語り、「人間の価値はある関係の中で成立し、人間的な価値は関係の変容とともに非合理に変化し続ける」と述べている。その不安定な関係が “生きづらさ” を生み、関係の消失が人間の価値を見失わせているのではな…

西智弘 著『だから、もう眠らせてほしい』より。患者や児童と向き合い、揺らぐことの意味。

幡野が常々主張しているところの核心はここにある。 医療者と、家族、そして患者の目指しているゴールが異なる。そして医療者が自分のポリシーや家族の意向を尊重してしまう今の日本では、吉田ユカの言う通り「安心して死ねる場所がない」ということなのだ。…

内田樹、内田るん 著『街場の親子論』より。かわいい子には旅をさせよ → 待てば海路の日和あり。

家族の絆はつねにこの「変化するな」という威圧的な命令を含意しています。だから、若い人たちは成熟を願うと、どこかで家族の絆を諦めるしかない。子どもの成熟と家族の絆はトレードオフなんです。「かわいい子には旅をさせろ」と言うじゃないですか。(内…

坂口恭平 著『自分の薬をつくる』より。自分の日課をつくってみよう。自分の時間割をつくってみよう。

そう私が感じるのは、いのっちの電話をこれまでずっとやってきて、それこそ二万人近くの声を聞いてきて、感じてきたことがそれだからです。すべての人が同じ悩みなら、もうそれは悩みではなく、人間たるものみんなそんな状態にあるということですので、自然…

神保哲生、宮台真司 著『アメリカン・ディストピア』&「マル激(第1006回)」より。周りに合わせるのをやめろよ!

宮台 とはいえ、普段から物事を考えている人間は、「ロジカルに考えろ」と言われればそれなりに考えることができて、OKなんですが、いままでロジカルに考えたことがない人間が急に「考えろ」なんて言われたって、考える手がかりがないので、「下手な考え、…

ブレイディみかこ 著『ワイルドサイドをほっつき歩け』より。シェリー  俺はうまく生きているか?

ふっと、日本の人と尾崎豊の話をしたときのことを思い出した。尾崎豊は盗んだバイクに乗って学校のガラス窓を打ち割って回っても、その気になれば大学に行って就職して家庭を築けた経済成長の時代の若者だったのであり、就職氷河期を見て育ち「もはや経済成…

ポール・ウィリス 著『ハマータウンの野郎ども』より。絶望の国の幸福な若者たちと似ているかもしれない。

けどね、たかが学校の成績のことを取りあげて世間はとやかく言うでしょ。たとえばジミーって子は出来は悪いですよ、しかし、あの子は立派な牛乳配達人になるかもしれないし、パン屋としてちゃんとやってくかもしれない。ところがね、世間ではこう言うんです…

映画『今宵、212号室で』(クリストフ・オレノ監督作品)より。何かなぁ、この手は。愛は思い出の上に築かれる。

人々が行き交うモンパルナスの通りを、マリアが少しだけ顔を上げて歩く。流れるのは、シャルル・アズナヴール。これを映画と呼ばずなんて呼ぶのだろう、と胸がいっぱいになる。そうだ、素敵な人がいれば堂々と振り返ればいい。いまを踏みしめながら生きると…

ブレイディみかこ 著『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』より。補償なき自粛要請も、振替なき土曜授業も、おかしい。

① 労働者が闘う労働者を侮蔑して妨害した時代から、② 労働者同士が団結して闘う時代に移行し、③ 別の問題で闘っている団体とも協力する時代が訪れ、④ 労働者たちが社会には様々な問題があることを知覚できるようになり、ユナイトしてすべての人々の権利のた…