田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

鈴木郁子 著『自律神経の科学』より。ボーッとしている時間は、決して無駄ではありません。

涙の分泌はおもに副交感神経によって促されますから、涙が流れるためには副交感神経の活動が一時的に高まる必要があります。交感神経の活動が活溌になる闘争や逃走といった状況下よりは、いくらか安心できるような状況下で涙は流れやすいといえましょう。た…

近藤一博 著『疲労とはなにか』より。疲労と疲労感は違う。全然違う。

仕事の締め切り直前で徹夜をしなければならなくなったときは、HPA軸が強く働きます。このため疲労感は本来の量よりも減少します。一晩徹夜しても意外に元気、といった経験をされた方も多いのではないかと思います。 しかしこの状態は、副腎皮質ホルモンと…

リチャード・ロイド・パリー 著『津波の霊たち』より。問題は津波ではなかった。日本が問題だったのだ。

大川小に赴任するまえ、彼は北東に10キロほど離れた相川という漁村で教鞭を執っていた。相川小学校での彼の仕事のひとつに、災害準備があった。多くの教師はこれを日常業務の一環として扱い、避難訓練の実施と保護者の電話番号リストの更新だけで済ませた…

武田緑 著『読んで旅する、日本と世界の色とりどりの教育』より。多比の効用とは?

例えば、ヨーロッパの学校に行けば、遮音のためにヘッドフォンをしている子の姿を見ることは珍しくありません。また、隣の席との間にパーテーションを立てて、気が散らないようにしている子がいたりもします。バランスボールやバランスボードを使って学習し…

佐久間亜紀 著『教員不足』より。絶望から出発しよう。

しかし、教員不足の主原因が政策にあったのなら、教員不足は政策で改善していけることになる。(佐久間亜紀『教員不足』岩波新書、2024) こんばんは。A県で勤務した小学校に専科の先生がひとりもいなかったことも、B県で勤務した小学校で同じ学年(5クラ…

横道誠 著『〈逆上がり〉ができない人々』より。体育が生き地獄だった全ての人たちへ。そして教員へ。

中学生のとき、運動会で1500メートル走の選手に選ばれてしまい、ひとりだけ何周も遅れて完走したときのことを忘れられない。会場からは拍手があがり、親友が走ってきてねぎらってくれたが、私にとっては生き地獄のように感じられた。(横道誠『〈逆上が…

橋爪大三郎 著『面白くて眠れなくなる江戸思想』より。ひきこもれ。

東アジアの端っこの日本は、変わった国だ。 鉄砲が持ち込まれ、キリスト教が伝わると、あわててぴったり国を閉ざした。そうやって二世紀あまり、耳と目を塞ぎ、世界の動向がわからないふりをした。 そんな日本が明治になると、あっという間に近代化した。軍…

勅使川原真衣 編著『「これくらいできないと困るのはきみだよ」?』より。変わり者を、学校に。

川上 それから、教師を育てるシステムが果たして理にかなったものになっているか。あたかも、「こういう研修を積んでいけば、いい先生が育ちます」というふうな立て付けになっていますが、それ自体もどうなのかとも思うし。研修のプロセスも現状では一通りで…

トーマス・ジョイナー 著『男はなぜ孤独死するのか』より。孤独死の割合は男性83.3%、女性16.7%。

男の権力、成功、金は、男の弱さを覆い隠すものだ。その弱さは、孤独が深まることに由来すると僕は思う。友だちが努力をせずに簡単に得られなくなったときが、トラブルの始まりだ。女性はこの変化にうまく対応できるようで、それは女性の「孤独感センサー」…

長倉顕太 著『移動する人はうまくいく』より。過去との整合性ではなく、未来との整合性をとる。

そして、人間はコミュニティの中でヒエラルキーを構築していくわけだが、ここでは腕力ではなく駆け引きがうまい人が上にいく。まさに、人を蹴落としていけるような人たちがうまくいく。デュマの書いた小説『モンテ・クリスト伯』の前半のように、うまく立ち…

為末大、今井むつみ 著『ことば、身体、学び』より。早くわからせる方法と、将来伸びるやり方は矛盾するのかもしれない。

今井 なんでももっと書いたほうがいいですよ。書いたり話したりして、アウトプットすることは、選択肢から回答を選ぶことよりずっと大事なことだと思います。 それに英語学習などでも、インプットだけだとなかなか定着しないんです。やはりアウトプットしな…

ヨセフ・アガシ 著『父が子に語る科学の話』より。教員がクラスの子に語る科学の話、として読みましょう。

ファラデーは、そのクリスマス講義をとても念入りに準備した。それらは素晴らしい講義で、そのいくつかは後に出版された。かれは子どもたちに自分のアイデアをできるだけ簡単なやり方で語った。かれは自分のアイデアのすべてを説明することはできなかったが…

ハン・ガン 著『すべての、白いものたちの』より。ノーベル文学賞作家による65の物語。

単語を一つ書きとめるたび、不思議に胸がさわいだ。この本を必ず完成させたい。これを書く時間の中で、何かを変えることができそうだと思った。傷口に塗る白い軟膏と、そこにかぶせる白いガーゼのようなものが私には必要だったのだと。(ハン・ガン『すべて…

レイ・ブラッドベリ 著『華氏451度』より。タイトルの意味、知っていますか?

「これからどうすればいいんでしょう? 本はぼくらを助けてくれるんでしょうか?」「必要なものの三つめが手にはいりさえすれば。ひとつめは、最前いったとおり、情報の本質だ。二つめは、それを消化するための時間。そして三つめは、最初の二つの相互作用か…

横道誠 著『「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか』より。教員に勧めたい。

低学年くらいのときは、たいした思い出がない。たまたま一緒にいる子と遊んでいるという感じかな。自閉スペクトラム症的なエピソードはちょこちょこあって、場の空気を凍らせたりとかは、ありました。人の心がないっていうか。道徳の授業で、車に撥ねられた…