田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

三浦英之 著『災害特派員』より。未来がどうなるのかなんて、結局誰にもわからない。

「今になって色々なことを言う人がいるけれどさ」と渡辺は出てきたソーセージを楊枝の先でつつきながら言った。「当時を知っている人間からすればさ、あの日、自分たちの住む町にあんなに大きな津波が押し寄せてくることを予測できた人なんて、一人もいなか…

苅谷剛彦 著『思考停止社会ニッポン』より。自粛の要請という言い回しも、教員が「自発的に残業している」という言い回しも、非科学的。

道徳とは共同体のルールである。しかも、そこでの善悪の基準は、時代によって変化し、多数派の価値観や特定のイデオロギーが力を得たりする。時に恣意的でさえある。合理的・合法的判断より情緒的判断が優先される場合も少なくない。 ここから引き出すことの…

辻仁成 著『目下の恋人』より。担任は人類学者たれ。

「じいちゃんとばあちゃんは学者だった。俺の親とは違って、頭がいいんだ。俺が頭がいいのは二人の血のせいだよ」「頭良かったっけ?」「うるせえ、いいんだよ。能ある鷹は爪を隠すって言うだろうが」「諺? どういう意味か知らない」 ヒロムは笑った。「学…

角幡唯介 著『狩りと漂泊』より。極地探検家の目下の生き方。漂泊が、すべてを生み出すのだ。

このようなわけだから、計画にもとづいて効率性を優先するかぎり、どうしても人は、そのとき起きた予想外の出来事や、その土地ならではの生の風景を見ようとしなくなる。もちろん実際に風景を見てはいるのだが、それは単に網膜に像が映っているだけ、という…

宮台真司、藤井聡 著『神なき時代の日本蘇生プラン』より。君たちが頓馬であれば、クラスは出鱈目に機能するよ。

キャンプファイヤーをやったことのある人はわかるけど、大切なのは歌や踊りじゃない。火を囲んで座っているだけで、いつもなら話さないことを友人どころか知らない人にまで話してしまうマジックです。パチパチという木の爆ぜる音を一緒に聞いているだけでも…

映画『LOVE LIFE』(深田晃司 監督作品)&『マル激(第1121回)』より。他者理解は、わかりあえないことから。

この作品に限らず、映画を作るときに一貫しているモチーフは個の孤独です。もちろん、一本の映画にはいろいろなモチーフが組み合わさっていますが、中でも自分が一番信じられるもの、普遍的だと思うものが人は孤独であるということであり、それが作品の世界…

西剛志 著『低GI食』より。脳科学者が勧める食事術。家庭科の授業にも、ぜひ。

実は糖質をたくさん摂りすぎると、逆に「血糖値スパイク」という現象が起き、脳のエネルギー不足を引き起こしてしまいます。 スパイクというのは、鋭く尖ったという意味で、シューズのスパイクの先端のように血糖値が急上昇して、急降下する様子を意味してい…