田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

重松清 著『せんせい。』より。贈与の受取人(児童生徒)は、その存在自体が贈与の差出人(先生)に生命力を与える。

僕は教師という職業が大好きで、現実に教壇に立っていらっしゃるすべての皆さんに、ありったけの敬意と共感を示したいと、いつも思っている。けれど、僕は同時に、教師とうまくやっていけない生徒のことも大好きで、もしも彼らが落ち込んでいるのなら「先生…

小林祐児 著『リスキリングは経営課題』より。日本人のキャリアの特徴は「中動態的」。だから世界一学ばない。

実際に日本の現場で目にするのは、キャリアの主導権を企業に握られつつも、「なんだかんだ、そこそこ楽しく」働いている多くの会社員の姿です。すごく仕事を楽しんでいるわけではないけれど、とはいえ居酒屋で愚痴っていれば解消するくらいの不満しか抱えな…

映画『怪物』(是枝裕和 監督作品)より。こどもはおそろしい? それともおもしろい?

この映画は、こどもたちの現実を母親と教師の視点からそれぞれに描き、親と子、教師と生徒の関係の困難さを浮き彫りにするが、映画が最終的に辿り着くのは、育てる側ではなくこどもたち自身の世界だ。(劇場用パンフレット『怪物』東宝ライツ、2023) こんに…

藤原章生 著『差別の教室』より。一方的な見方はやめろよ、違うんだよ。

計15年ほど世界各地に暮らし、現地の人と親しんできました。そうした友人たちを振り返ったとき、その人を語る上で、例えば「コロンビア人」「中国人」といった国籍はさほど大きくないと気づきました。国籍は、その人のいくつかある属性の一つにすぎず、そ…

マルティン・ブーバー 著『我と汝』(野口啓祐 訳)より。ごん、youだったのか。

〈われ〉ー〈なんじ〉の根源語は、自分の全身全霊を傾けて語るよりほか方法がない。わたしが精神を集中して全体的存在にとけこんでゆくのは、自分の力によるのではない。しかし、そうかといって、自分なしでできることでもない。まことに、〈われ〉は、〈な…