田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

上野千鶴子 著『情報生産者になる』より。「何を教えるか」と「何を学ぶか」のあいだ。

上野ゼミの受講生たちから贈られるうれしいことばのひとつに、こんなものがありました。「上野センセは、わたしたちの中からまだ見ぬものを生み出してくれるお産婆さんみたいな存在なのよ」と。そのとおり、「まだ見ぬもの」は、もともとその人のなかに存在…

上野ゼミ卒業生チーム『情報生産者になってみた ―― 上野千鶴子に極意を学ぶ』より。個人の問いを社会の問いにつなげる知。

私は君たちには、「東大生にできることは小学生にもできます」って言ってたじゃん。基本は、自前の問いを自分で解く。一次情報をちゃんと取ってくる。ありもののセコハン情報を器用にまとめるっていうことをやらせない。その基本のキをやることにしたわけ。…

猪瀬直樹 編著『ノンフィクション宣言』より。人生はつねに前進しているようで同時に取り返し得ぬものを増やしている。

編集者 猪瀬さんのインタビュー・ノンフィクションの対象になる人って、そういえば若い人がいない。〇 "青少年" はやたら希望をさえずるの。つまらないの。ところが年配の人の話って、取り返しのつかない人生について語っているからペーソスがある。おっと、…

寺脇研 × 西田亮介「日本の教育はどこにいくのか?」 より。ゲンロンカフェ初体験。ゆとりはない。でも踊るしかないんだよ。

政治家をどう選ぶかは人それぞれですし、勘と印象に頼る人がいてもよいでしょう。ですが理性的な立場から選ぶためには、何らかの手がかりが必要でしょう。現在の政治教育ではそのための手がかりを基本的には提供できていないのではないでしょうか。 政治と教…

501回目の投稿。猪瀬直樹さん、朱野帰子さん、中原淳さん、宮台真司さん、妹尾昌俊さん、田中泰延さん、等々。ただただ感謝。発信から始まる!

ときどきさまざまな年代での自分の後ろ姿を見つめるときがある。以前より少しは歳をとったせいだと思うが、そのぶん散歩することができる時間の世界は広がったのかもしれない。(猪瀬直樹『ノンフィクション宣言』文春文庫、1992) おはようございます。昨日…

内田良、斉藤ひでみ、嶋﨑量、福嶋尚子『#教師のバトン とはなんだったのか』より。教師が情報発信することは、社会的な「責務」である。

盛り上がった#教師のバトン プロジェクトもいずれブームは過ぎ去る日が来るだろう。しかし、それでも教師が情報発信することの意義は、日本が成熟した民主主義社会を指向する限り消えることはない。教育公務員として、必要以上に政治的中立性が求められ、地…

猪瀬直樹 著『東京レクイエム』より。教員レクイエム。僕たちは昔もっとおおらかだった。

猪瀬 村山、武村がかついでいるのは、天皇制的なもの、朝日新聞的なもの、つまり吉本さんのおっしゃる皮膜が実体のような世界。そういうものに小沢はきっと殺される。吉本 そうか……。とてもよくわかるなあ。僕も身にこたえる(笑い)。猪瀬 吉本さんも僕も、…

斎藤環 ⇔ 坂口恭平 著『いのっちの手紙』より。学校は傾聴を誤解している。

臨床家としての僕の第一原則は、「治療よりも自分の健康や生活を優先する」です。部分的にはボランティア的な活動もしてはいますが、治療である以上は応分の謝金はいただきますし、帰宅時間を何時間も遅らせてまでクライエントに対応することもしません。僕…