田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

和田靜香、小川淳也 著『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?』より。残業はいつも賃金ゼロ、これって私のせいですか?

さらに日本では、「平均的な収入」の人のうち、税の負担を、「高すぎる」「どちらかというと高すぎる」と回答する人が5割にのぼるんだそう。高い負担で知られる北欧でも3割程度というから、日本は北欧と較べても「税金高い!」という声が大きい。でも、実…

猪瀬直樹、田原総一朗 著『戦争・天皇・国家』より。モデルチェンジ日本。教育も、是非。

猪瀬 黒船来航からこれまでの歴史を見ればわかるように、アメリカは敵国を徹底的にやっつける国だということです。日本についても、アメリカの占領が終わった後もいまにいたるまで軍事的支配が続いているという現実を認識しないといけない。学校で教えられて…

蜷川有紀、猪瀬直樹 著『ここから始まる』より。恋する日常をしましょう。

「僕の妻もいっしょにいるだけで、家屋の空間を満たしてくれる存在だった。僕は、妻を空間ごと愛していたのです」 猪瀬は、蜷川に会ってから「恋する日常をしましょう」と囁いた。(蜷川有紀、猪瀬直樹『ここから始まる』集英社、2018) おはようございます…

三浦瑠麗、猪瀬直樹 著『国民国家のリアリズム』より。大学の教授より、むしろ小学生の先生を大事にしなければいけない。

三浦 私が猪瀬さんを好きなのは、相変わらず進歩することを信じているからです。猪瀬 僕が未来を信じようとしている思いは、日本の近代について考え続けた、その責任感から生まれた。(三浦瑠麗、猪瀬直樹『国民国家のリアリズム』角川新書、2017) こんばん…

中村哲 著『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』より。〈世界〉に開かれた「ゴーシュ」という生き方。

この土地で「なぜ20年も働いてきたのか。その原動力は何か」と、しばしば人に尋ねられます。人類愛というのも面映いし、道楽だと呼ぶのは余りにも露悪的だし、自分にさしたる信念や宗教的信仰がある訳でもありません。良く分からないのです。でも返答に窮…

角幡唯介 著『狩りの思考法』より。未来を計画的に見通してはいけない。アンマカ。

ところが2017年におこなった探検がきっかけとなって私の物の見方は大きく変わってしまい、結果、現実とはカオスであること、そしてこれを直視しないためにわれわれは未来予期にすがって生きているのだ、と認識するようになったのである。というのもその…

猪瀬直樹、山口昌男 著『ミカドと世紀末』より。眞子さま=放浪のプリンセスという見方・考え方。

猪瀬 先日、高松宮宣仁が亡くなりました。すると、新聞の論調は、たとえば「銀座にお忍びでお出かけになる気さくな宮さま」とか「一個七十円の大福餅を食べた庶民的な宮さま」というふうに傾斜していくんです。これはいったいどういうことなのか。一種の〈放…

田原総一朗、佐藤優、宮台真司『日本流ファシズムのススメ。』より。皆の衆、まともであれ! つべこべ言わず、投票所に行け!

宮台 そうなんです。これはおもしろいですよね。経済的に裕福な人たちが、自分たちの経済的なゲームを支えてくれる大統領は誰かというと、マケインではなく、オバマだと。「オバマのように社会の保全に関心を持つ人間がいないと、最終的には自分たちの経済ゲ…

出口治明、猪瀬直樹、中島聡、他『リーダーの教養書』より。第49回衆議院選挙、リーダーはだれだ。

つまり、人間には「統治する側」と「統治される側」があるが、日本文学の系譜において、森鴎外側が途切れてしまった。夏目漱石自体は偉いが、漱石の系譜はだんだんと私小説のほうに流れてしまい、結局、太宰治になってしまった。昭和の戦争に至る過程におい…

岩瀬直樹、中川綾 著『みんなのきょうしつ』より。リフレクションを通して解像度を高めよう。

そういえば、教室リフォームのとき、一生懸命科学コーナーをつくっている友だちの横で、イケッチは図鑑を読んでいた。でも、そんなイケッチに目くじらを立てずに、それぞれの仕事をやっていると、そのうちイケッチも働きはじめる。そういう緩やかさは大事に…

伊坂幸太郎 著『ペッパーズ・ゴースト』より。弱さはいつか強さになる。

利害関係なく頼れるのは親くらいだよ。昔から母はよく言い、その恩着せがましい言い方に、親なら当たり前だろうとでもいうような反応しかできなかったが、教師になってからは、それは決して、当たり前のことではないと理解できた。頼れる親が、実際に頼りに…

田中泰延 著『会って、話すこと。』より。誰かに「会いたい」って思われる人に、なればいい。

わたしたちは、会いたいのだ。いま、その意味を、考えるいい機会だと、わたしは思う。(田中泰延『会って、話すこと。』ダイヤモンド社、2021) おはようございます。学生時代に観たアングラ演劇の「会おうと思えばいつでも会えると思える人には絶対に会えな…

ブレイディみかこ 著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』より。ちょっとブルーには、特権的な価値がある。

「ビートルズのポール・マッカートニーは、最初の結婚のとき、子どもを4人ともふつうの公立の中学に行かせたらしくて。デザイナーのステラ・マッカートニーのインタビューを読んだとき、彼女は最初、セレブリティーのくせに私立に行かせてくれなかった親の…

町山智浩 著『それでも映画は「格差」を描く』より。教え子たちの全員が未来へのメッセージ。

『キッド』に影響されてデ・シーカは『自転車泥棒』を作りました。アントニオとブルーノが路上に並んで座るシーンは『キッド』へのオマージュです。そして、『自転車泥棒』に影響されてケン・ローチやダルデンヌ兄弟は映画を撮り始めました。是枝監督もまた…

落合陽一、猪瀬直樹 著『ニッポン2021ー2050』より。ニッポンよ!にほんよ!

僕が東京都副知事だったころ、笑ってしまうような出来事がありました。茨城県の副知事から相談を受けたのです。彼は上野駅のコンコースで納豆フェアをやろうとしたが東京都の役人が待ったをかけた、おかしな話だから何とかしてほしいと言います。どういうこ…

猪瀬直樹 著『道路の決着』より。改革のノウハウと意志、そして希望をつかむための教科書。

改革は百点でないがゼロ点でもない。百点でなければ辞任、とはおかしい。それならすべての審議会の委員は全員辞任しなければいけないことになる。表向きの美辞麗句の裏に隠された真相を実証的に解明するのがメディアの役割ではないのか。アガサ・クリスティ…

岩瀬直樹、寺中祥吾 著『せんせいのつくり方』より。一つの出来事、小さな違和感。そこを丁寧に考える。

数年前、オランダの小学校に参観に行ったときのこと。その学校には宿題がないというので驚いた。理由をたずねるとおおよそこんな答えだった。 『学校でのことは学校で終えるべき。おとなになって仕事をするときも職場で決まった時間のなかで終わらせることが…

鹿島茂 著『悪女入門』より。教室で見聞きする「男子ってバカだなぁ」が資本主義を回すことになる(かもしれない)。

なんのことかといえば、私が大学で教えているフランス文学というのはファム・ファタルと呼ばれるスーパー・ウッフンの登場する小説ばかりなのですから、少し、力点の置き方を変えてやれば、「フランス文学史」も「フランス文学演習」も、そのままファム・フ…

映画『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介 監督作品)より。もしも埼玉県・教員残業代訴訟の裁判官を濱口さんが務めていたとしたら。

原作は短編なので、映画にするためには材料が明らかに足りない。なので膨らまさないといけないけれど、それが物語にとって見当違いなものではいけないわけですよね。プロットを書く際に原作を何度も読み返すうちに、「女のいない男たち」に収められた同時期…

猪瀬直樹、田原総一朗 著『平成の重大事件』より。平成の轍を令和で踏まないために、私たちは、正しく傷つくべきだった。

田原 なるほど、敗戦も自然災害の一つね。日本は戦争をいまでも総括できていない理由かもしれない。猪瀬 天皇陛下が終わりだと祝詞のような玉音放送で言ったわけで、国民が自ら終わらせたのではない感じです。戦前の軍歌で『海行かば』ってあるでしょう。 海…

ひろゆき(西村博之)著『僕が親ならこう育てるね』より。私が読者ならこう参考にするね。

子どもに幸せになってほしいと願うならば、お金を稼ぐために「勉強しなさい」と言うよりも、「いい人間関係を大切しなさい」と教えたほうがいいということですね。(ひろゆき『僕が親ならこう育てるね』扶桑社、2021) おはようございます。引用していたら誤…

佐藤学 著『第四次産業革命と教育の未来』より。文科省 VS. 経産省。学びの道具 VS. 教える道具。

調査結果は、読解リテラシーにおいても数学リテラシーにおいても、学校でコンピュータの活用時間が長時間になると、学力は低くなることを示しています。(中略) この調査結果について、私はもう一つ別の解釈を持っています。現在のコンピュータの活用の仕方…

中原淳、田中聡 著『チームワーキング』より。すべての担任に、クラスを動かすスキルを!

我々、日本人の多くは小学校、いや幼稚園、保育園の頃から「お友だちとは仲良く」「仲良しチームは良いチーム」ということを植え付けられてきています。当然ながら、チームメンバー同士が「仲良くすること」は決して悪いことではありません。ではなぜ、行き…

松岡亮二 編著『教育論の新常識 格差・学力・政策・未来』より。少しでも明るい未来にするために、データと専門家と現場を重視してほしい。

政治と行政には「やりっ放し」から「結果を出す」政策へ転換を進めていただきたいですが、そのように期待するだけでは、文科省の「通知行政」による教育委員会と学校現場への丸投げとあまり変わりませ。なかでも文科省の官僚一人ひとりは、少なくとも私が直…

猪瀬直樹 著『道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日』より。立場ではなく、思いつきでもなく、データを基に議論することのカッコよさ。

道路特定財源(国が三兆五千億円、地方が二兆三千億円)が五兆八千億円もある。ガソリン税(揮発油税)などを中心とした目的税で道路以外には使ってはならぬとの金城湯池、これを高齢化対策や環境対策へ振り向ければどれほど国民のためになるか、小泉首相は…

岩瀬直樹 著『クラスづくりの極意』より。教育書以外の本を読もう。たぶん、読書は力なのだ。

先生が主役のクラス。いつのまにかボクはそんな道を歩んでいることに気づき、ガクゼンとしました。もしかしたらどこかで、「おもしろいことをしなければ子どもたちは勉強しない」「教師がひきつけなければ子どもたちは生き生きと活動しない」と思い込んでい…

猪瀬直樹 著『地下鉄は誰のものか』より。教育は誰のものか。

地下鉄の利便性を考えたら一元化することは当然なのだ。前章までで地下鉄王・早川徳次と強盗慶太こと五島慶太の争いをおさらいしてみた。早川は先見の明があったが、資金不足に陥った。五島は郊外私鉄を不動産業として位置づけることでビジネスモデルをつく…

工藤勇一、鴻上尚史 著『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』より。既存の学校が変わる=未来の社会が変わる。

①コンビニで万引きした ②下校時に雨が降ってきたので、玄関にあった誰かの傘を黙って持ち帰った ③学校にお菓子を持ち込んで食べた ④放課後、係の仕事をさぼって黙って下校した ⑤授業中に隠れてマンガを読んだ ⑥四階の教室のベランダの柵にまたがって友だちと…

河野哲也 著『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』より。こなす学校から、哲学する学校へ。

現代社会に生きる私たちは日々の活動に追われ、自分の人生、社会のあり方、人間の生き方についてじっくり考える時間を失っています。こどもたちにも同じことが言えます。こどもたちも、学校や塾などに忙しくしています。こどもたちの人間関係は大人と同じほ…

恩田陸 著『蜜蜂と遠雷(下)』より。社会に開かれた教育課程。閉じ込められた教育を元いた場所に返そう。

先生と話してたんだよ。今の世界は、いろんな音に溢れているけど、音楽は箱の中に閉じ込められている。本当は、昔は世界中が音楽で満ちていたのにって。 ああ、分かるわ。自然の中から音楽を聞き取って書きとめていたのに、今は誰も自然の中に音楽を聞かなく…