田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

森達也、望月衣塑子 著『ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと』より。森達也さんが「給特法」に言及しています!

給特法を簡単に説明すれば、「教職は聖職だから残業代は出さない」という法律です。50年前に自民党の文教族によって定められました。そして今の教育現場で教師たちは、授業だけではなく親への対応や学校の雑務など、あまりに仕事量が多くて疲弊しきってい…

猪瀬直樹 著『日本凡人伝 二度目の仕事』&マル激(第1101回)より。やっぱり違いますねえ、昔の人は。教育ではなく、時代の力。

⚪昔はアレだね、兄弟多いから、船から落として「帰れッ」って言えたけどね。いまは一人っ子だから無理だもんね。その後、輪島から出た水泳選手、どうでしたか。⚫何人か出たけど、駄目ですね。高校が進学校に切り替わっちゃったから。昔は大学行くなんてタイ…

水野敬也 著『夢をかなえるゾウ2』&『マル激(第1100回)』より。開かれ(夢)に閉ざされないためにはどうすればいいのか。

「本ちゅうのはな、この地球に生きてきた何億、何十億ちゅう人らの悩みを解決するために作られてきたんやで」 ――確かに、ガネーシャの言うとおりかもしれない。 この世界には、過去に僕と同じ悩みを抱えていた人がたくさんいて、僕の方から手を伸ばしさえす…

伊坂幸太郎 著『マイクロスパイ・アンサンブル』より。教員の働き方が変わりますように。さぁ、作戦会議だ!

スナック菓子ばかり食べるエージェント・オハラは間食のあいだにさらに間食するような、食に貪欲、間食に貪欲な男で、諜報員としての有能さという面では、エージェント・ハルトに遥かに劣るのだが、なぜか二人はチームを組むことが多かった。(伊坂幸太郎『…

磯野真穂 著『他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学』より。お前、ゴンドラ猫にされるぞ!

だからこそリスクを提示し介入を試みる専門家は、自らが行う介入が、直接経験を情報経験に塗り替える実践であることに自覚的であるべきだろう。介入によって直接経験を漂泊し続けたのちに、リスクを恐れた被介入者が生活の中で身動きがとれなくなるのなら、…

映画『Marry Me』(カット・コイロ監督作品)より。変わるためには、違うことをしなければいけない。

私自身はずっと変わらず同じ人間ですが、生きていくなかで色々なことをやってきて、それがだんだんと広がって大きくなっただけなのです。そこにいるのは、ひとりの人間だけです。(劇場用パンフレット『Marry Me』東宝、2022) こんにちは。昨夜、かつての教…

上阪徹 著『子どもが面白がる学校を創る 平川理恵・広島県教育長の公立校改革』より。リーダー次第で、大人も面白がれる。

実は校長時代、内申を作るのに、教師たちが時間を取られて大変な思いをしていたのも、平川は知っていた。間違ったことを書いたら、誤記載として問題になる。緊張感はひとしおだった。みんなが苦しんでいたのだ。「だから、自分でアピールすればいいんです。…

猪瀬直樹 著『日本凡人伝 死を見つめる仕事』より。死を見つめつつ、生も見つめつつ、今を生きる。

良し悪しは別で言うが、アメリカ人は車を馬車の延長線上で利用してきたように思う。したがって、ときにはオーバーなデコレーションが流行ったことがあったにしても、基本的にはきわめてシンプルな機能を求めた。ところが、日本車はエレクトロニクスという名…

西田亮介 著『ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』より。ぶっちゃけ、誰が公教育を動かしているのか?

その反動と、教育権より学習者中心の学習権が大事だということで、ゆとり教育と呼ばれる、子どもの創造性、自由度、主体性を増やす路線へと舵を切ることになりました。「学力の低下を生む」として評判のよくなかったゆとり教育ですが、実際には学力低下は観…

水野敬也 著『夢をかなえるゾウ1』より。「偉人のエピソード」と「ガネーシャの課題」のハッピーセット。小学生の子どもたちにも、ぜひ。

「これからはな、毎日寝る前に、自分がその日頑張れたことを思い出して『ようやったわ』てホメや。一日のうち、絶対一つは頑張れてることあるから、それを見つけてホメるんや。一日の最後はな、頑張れんかったこと思い出して自分を責めるんやなくて、自分を…

映画『夢みる小学校』(オオタヴィン監督作品)より。夢みる学校と普通の学校。どちらが普通なのか?

小学生の僕は、図工にしか興味がない多動な少年でした。(診断されたわけじゃないけど)現代なら「多動児」という「病気」にさせられて、薬を飲まされちゃってるかもしれません。できることなら、タイムマシーンに乗って「小学生の自分」を連れ去り、「夢み…

佐渡島庸平 著『観察力の鍛え方』より。子どもたちを観る力を鍛えて、ドミノの1枚目を正しく倒す。

40歳になったときに、なぜ論語で「不惑」というのだろうかと考えた。自分は惑わなくていいような正解を知らないと思った。でも、ふと、そうではないかもしれないと気づいた。あれが正解かもしれない、これが正解かもしれない、と惑わなくなる。それは、絶…

武田砂鉄 著『わかりやすさの罪』より。わかりやすい授業より、反復的に思索せざるをえない授業を創ろう。

そのNHKの『クローズアップ現代』で23年もの間キャスターを務めてきた国谷裕子が、番組の役割をどう規定していたかといえば、「物事を『わかりやすく』して伝えるだけでなく、一見『わかりやすい』ことの裏側にある難しさ、課題の大きさを明らかにして…

岡崎勝、宮台真司 著『大人のための「性教育」』より。授業規律より、動機づけ。知識より、動機づけ。

「動機づけ」が「知識」よりも大切だとはじめて語ったのが、200年前の思想家ラルフ・ワルド・エマソンです。彼を引き継ぐ立場が「プラグマティズム」です。「実用主義」という翻訳は誤りで、正しくは「動機づけ主義」です。「知識より、動機づけ」を、そ…

内田樹 著『複雑化の教育論』より。子どもの成熟は通知表では測れない。どうして、子どもたちをそんなに急かすんですか?

この四半世紀の間に、日本人の知的水準は劇的に低下しました。知性の発現が制度的に抑圧されている。もちろん潜在的には知性は豊かにあるんです。でも、それを発動できないでいる。 最大の理由は「話を簡単にする人が賢い人だ」というデタラメをいつの間にか…

猪瀬直樹 著『解決する力』より。決断する力、解決する力、勝ち抜く力をつけるためには?

困難な課題でも、発想力があれば乗り切れる。意志とは、できる、どうにかなるという楽観主義を前提として貫けるものなのだ。感性と責任感と集中力で自ずと「解決する力」が湧き出てくる。 霞ヶ関の官僚機構の宿痾を分析した『日本国の研究』を読んだ小泉首相…

駒崎弘樹 著『政策起業家』より。振休なしの土曜授業、これっておかしくないっすか?

一連の説明をした後に、ある高齢の男性議員が発言した。「こんなことになったことに、驚いている。我々は十分やっていたと思っていた」 僕はその議員の顔を穴が空くくらいじっと見た。彼が冗談を言っているようには見えなかった。本気でそう言っていたのだ。…

小川淳也、中原一歩 著『本当に君は総理大臣になれないのか』より。小川淳也伝 私が死んでも日本は残る。

ーー政府が本気になればできましたか?小川 できる。良い悪いは別にして、政府・総理大臣が本気になれば郵便局すら民営化できるんだから。道路公団も民営化できるんだし、70年積み上げた憲法解釈だって変えられるんだから。時の総理大臣が本気になればね。…

岡嶋裕史 著『メタバースとは何か』&『マル激(第1087回)』より。メタバースはすごくいいぞ。でも、固定化された格差はすごくよくないぞ。

そんなに仮想現実がいいのか。 リアルでうまくやっていたり、リアルの生活に親和性の高い資質を持っている人には、ぴんとこない話だとは思うが、すごくいいぞ。 私はリアルで生きるのが苦手な人間である。人間関係に気ばかり使う割には、好かれもせず、仕事…

本田由紀 著『「日本」ってどんな国?』より。エピソードではなく、データで「考え、議論する」道徳をしよう。

しかし、他国という鏡に映してこの国の「学校」を振り返ってみれば、そこには特殊で「異様」な面がたくさん含まれています。慣れ切ってあきらめてしまえば、そのツケやしわよせは、これからの新しい世代にいつまでも直接に降りかかり続け、それはひいては社…

ちきりん 著『自分の意見で生きていこう』より。人生を楽しむために、「反応」ではなく「意見」を、「調べる」よりも「考える」を大切にしよう。

ドキュメンタリーやドラマだけでなく、多くの人がお手軽だと感じがちなワイドショー番組でさえ、作り手は多くのことを考えています。たかだか30分ほどの番組であっても制作するのは大変です。つまりテレビの作り手は「必死で考えている人たち」なのです。 …

町山智浩 著『恋する映画』より。人はどうして人を好きになるのか。子どもたちに問いかけたい。

これらの映画の主人公は恋愛を通して、それを超えた向こう側にたどり着きます。それは「他者」です。人は人を恋すること、愛することで、自分以外の人の気持ちをどうしても知りたいと願います。そのためには自分の心も開かねばなりません。それによって、今…

井上義和・牧野智和 編集、中野民夫、中原淳、他『ファシリテーションとは何か』より。絶望が問いを生み、問いがファシリテーションを要請する。

でも、世の中には口のわるい人もいますね。「だから、黙って、会社の世界にいろ」とか「学校の教育の素人のくせに、戻ってくるな」と言われたりするのです(笑)。けれども、本当に会社の世界を極めていくと、それ以前の世界がみえてきます。そして「学校教…

猪瀬直樹 著『決断する力』より。いつも心にチェ・ゲバラ。いつも心に猪瀬直樹。全国の小中学校の校長に届けたい。

明治維新による日本の近代化、富国強兵や殖産興業というのは、国民国家としての強制力を伴う政策によって実現した事実がある。徴兵制も、国が国民に求める義務である。それまでは武士だけが戦闘要員だったのを、一般の国民まで対象を広げたのが徴兵制だ。 と…

角幡唯介 著『探検家とペネロペちゃん』より。子どもは、極夜より面白い。だから親になろう、教員になろう。

子供が生まれて、子供が様々な何かをなしとげるときに感じる喜びは、親になってみなければわからない完全に新しい経験である。未知なる世界である。子供ができる前、私は、自分がこんなにも子供のことを考えて生きていくことになるとは思わなかった。若かっ…

和田靜香 著『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』より。対話する授業と対話する選挙で小さな民主主義を回そう。

小川さんは何度も、自分の政策を語ることよりも、みなさんの声を聞くことが大事だ、と言っていた。本当にそうだと思った。選挙の本来の意義はそこにあるんだと、私も心から思った。でもって、そんな大事なことを、これまで長い人生で何度も「選挙」を体験し…

橘玲 著『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』より。小学校の教科書には載っていない、もう一つの近代史。橘史観に酔う。

そんな世界で、わたしたちはどう生きていくのか。それが最後の問いになる。(橘玲『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』講談社現代新書、2021) こんにちは。そんな世界というのは、一部の富めるものと大多数の貧しきものに二分される、グラフでいうと…

猪瀬直樹 著『勝ち抜く力』より。批判するなら本を読め。若者に希望を創るのは、大人の義務である。

日本だけが持つ「伝統」が、世界を迎えるホスピタリティの基礎をなすこと、そしてヨーロッパの近代化とまったく違うユニークな文化の魅力を十分に訴えたことで、世界が東京のユニークさに気づき、オリンピック・パラリンピック招致という結果に結びついたの…

上野千鶴子 著『情報生産者になる』より。「何を教えるか」と「何を学ぶか」のあいだ。

上野ゼミの受講生たちから贈られるうれしいことばのひとつに、こんなものがありました。「上野センセは、わたしたちの中からまだ見ぬものを生み出してくれるお産婆さんみたいな存在なのよ」と。そのとおり、「まだ見ぬもの」は、もともとその人のなかに存在…

上野ゼミ卒業生チーム『情報生産者になってみた ―― 上野千鶴子に極意を学ぶ』より。個人の問いを社会の問いにつなげる知。

私は君たちには、「東大生にできることは小学生にもできます」って言ってたじゃん。基本は、自前の問いを自分で解く。一次情報をちゃんと取ってくる。ありもののセコハン情報を器用にまとめるっていうことをやらせない。その基本のキをやることにしたわけ。…