田舎教師ときどき都会教師

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西剛志 著『低GI食』より。脳科学者が勧める食事術。家庭科の授業にも、ぜひ。

 実は糖質をたくさん摂りすぎると、逆に「血糖値スパイク」という現象が起き、脳のエネルギー不足を引き起こしてしまいます。
 スパイクというのは、鋭く尖ったという意味で、シューズのスパイクの先端のように血糖値が急上昇して、急降下する様子を意味しています。
 食べすぎて満腹になると、頭がぼんやりしたり、集中力が切れたり、やる気が起きなくなったり、簡単なミスを繰り返したり……。
 そんな経験はないでしょうか。
 それこそ、食べすぎによる「血糖値スパイク」が引き起こす低血糖が原因なのです。

(西剛志『低GI食』アスコム、2021)

 

 おはようございます。駅を降りてから勤務校まで歩いていく間にセブンイレブンがあります。で、毎朝誘惑されます。ダメだダメだと思いつつも、ついつい入ってしまうんですよね。そして血糖値が急激に上がる危険性を顧みることなくカップのカフェラテを買って飲んでしまいます。そんな悪習とも、本年度の折り返しの初日となる明日からは、

 

 さようなら。

 

 

 脳科学者・西剛志さんの『低GI食』を読みました。脳のパフォーマンスを食とのつながりから科学し、仕事や勉強の効率を上げるための食事術を説いた一冊です。

 

 目次は以下。

 第1章 仕事や勉強の効率を上げたいときに、「低GI食」をすすめる理由
 第2章 集中力と記憶力を上げる「低GI食」実践・食事編
 第3章 集中力と記憶力を上げる「低GI食」実践・間食編
 第4章 脳科学者がすすめる「勝つメシ」レシピ
 第5章 「低GI食」にプラスして、脳がさらに「覚醒」する12の習慣

 

 タイトルになっている「低GI食」(GI→ Glycemic Index)、というのは、簡単にいうと《食後の血糖値が急激に、上がりにくい食事のこと》で、冒頭の引用でいうところの「血糖値スパイク」が起きにくい食事のことです。ひと昔前までは、ダイエットを始め、健康によい食べ物として注目されていた「低GI食」ですが、最新の研究によって、集中力や記憶力、計算力などの学習に対しても、それから物事のとらえ方や幸福度などの心の健康に対しても、漢方薬のような効果を発揮することがわかってきたとのこと。

 

 なぜ?

 

 なぜならば、血糖値の急上昇を抑える「低GI食」は、長時間にわたって脳にエネルギーを与え続けることができるからです。

 第1章にて、西さん曰く、人類の「脳」が進化できたのは「糖質(ブドウ糖)」のおかげ。でも、糖質を摂りすぎてはいけない。以下のメカニズムにより「血糖値スパイク」が起こって、脳もエネルギー不足になるから。

 

 たくさん食べて血中に大量のブドウ糖が一気に流れ込むと、すい臓が「間に合わない!」と慌てて、インスリンを大量に放出します。
 すると大量のインスリンの働きによって、急上昇した血糖値が急激に下がっていきます。
 これが「血糖値スパイク」です。

 

 一人の脳科学者がジャンル違いの「食事」に注目して「低GI食」を勧めるようになったというストーリーは、一人の漁師がジャンル違いの「森」に注目して山に木を植えるようになったというストーリーと似ていて、よい。

 

 山に木を植えれば海が豊かになる。
 低GI食を摂れば脳が元気になる。

 

www.countryteacher.tokyo

 

 ちなみに漁師の畠山重篤さんが養殖していた牡蠣は、第5章「『低GI食』にプラスして、脳がさらに『覚醒』する12の習慣」で紹介されている習慣の1つ「亜鉛を摂取すること」に出てきます。牡蠣って、亜鉛が豊富に含まれているんですよね。

 

 人を良くすると書いて、食。

 

 牡蠣は「低GI食」にプラスしてお勧めされている食べ物ですが、第2章、第3章、第4章には、脳にいい最強の食事たる「低GI食」の数々が最新の研究結果と合わせて紹介されています。牡蠣つながりで魚介類の「低GI食」を例に挙げると、以下。

 

 睡眠に問題がある人に、就寝30分前に3gのグリシンを摂ってもらった研究によると、翌日の朝の目覚めがよく、日中の作業効率がよくなったといいます
 ありがたいことに、グリシンは、カジキマグロやエビ、ホタテ、イカ、カニなど魚介類の低GI食品や豚足、牛すじなどの動物性コラーゲンに多く含まれています。
 これが、翌日の朝から脳をシャキッとさせる夕食の基本になります。

 

 その他、お米もパスタもうどんも冷ました方が食後血糖値が上がりにくくなるとか、だから手作りのお弁当は good だとか、高カカオチョコレートとナッツは「攻めの間食」として優れた「低GI食」であるとか、だから仕事や勉強の合間にお勧めだとか、夜食にもお勧めだとか、約100頁に渡って脳のパフォーマンスを上げるための「具体」が紹介されています。第4章の「勝つメシ」レシピにいたっては、何とオールカラー。料理本としても優秀というわけです。家庭科の授業にも使えるかもしれません。

 

 攻めの家庭科として、義務教育で教えてほしい。

 

シャインマスカット

 

 昨日、両親がシャインマスカットを届けてくれました。山梨の勝沼でブドウ狩りをしてきたとのこと。ちょうど『低GI食』を読み終えたところだったので、シャインマスカットが「低GI食」なのかどうか、

 

 気になる。

 

 この「気になる」を「ほどほどに」と言い換えてくれるのがこの本の良心的なところです。「低GI食」はもちろんのこと、第5章で紹介されている「あと6gの食物繊維」や「砂糖よりフラクトオリゴ糖」などのプラスの習慣も、義務ではなく《試してみて楽しければ、ぜひ続けてみてください》&《食べたいときには高GI食品を食べてもかまいません》というスタンスなんです。血糖値スパイクを気にするあまり、ストレススパイクが起きたら脳に悪そうですから。脳科学者らしいスタンスといえるでしょう。文は人ということで、著者の西さんのことを調べたところ、

 

 あっ、子育て本も書いているようです。

 

 気になる。