田舎教師ときどき都会教師

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ひろゆき 著『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』より。 教育の真実。「謎の慣習」に従い続ける人たち。

僕はこれまで、著書やSNSで「考え方」について述べてきました。
でも、その前に、正しい知識は正しい知識として、
ちゃんと伝えていかなくては、と思うようになりました。
(ひろゆき『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』三笠書房、2020)

 

 こんにちは。ひろゆきさんが上記の新刊に書いているように、まともな考え方のベースには、正しい知識があると思うんですよね。新学習指導要領の言葉に置き換えると、「思考力・判断力・表現力等」が「A」だったら「知識及び技能」も「A」。そう思うんです。

 

 小学校の成績の話です。

 

 本年度から「思考力・判断力・表現力等」「知識及び技能」「学びに向かう力、人間性等」の3観点で評価することになった通知表。考え方が「A」だったら、その基となる知識も「A」。それら2つが「A」だったら、当然、学びに向かう力も「A」となるはずです。

 

 世界は分けてもわからない。

 

 

 だから全て「A」の子、全て「B」の子、そして全て「C」の子が増えます。管理職もそう話していました。それなら国語「AAA」ではなく、国語「A」でよくね(?)と思うのですが、以前まで国語は5観点だったので、3観点になっただけでも改善なのでしょう。

 

 やっかいなのが「学びに向かう力、人間性等」です。

 

 教え子に対して、それもひろゆきさん曰く《実際には親の収入や周りの環境》でパフォーマンスが決まってしまう小学生に対して、人間性に「C」をつけるって、どうなのでしょうか。通知表には「人間性」とは書いていませんが、文科省は「人間性」を謳っています。

 

 我が子の人間性に「C」がついていたら。

 

 担任が我が子をどのように見なそうと、それは我が子には関係のない問題です。それは我が子の問題というよりはむしろ担任の問題ですから。ハルキムラカミ的にそう割り切りましょう。苦情はNGです。叩かれるから黙っているだけで、先生たちはこう思っています。

 

 通知表なんて、いらない。

 

 面談だけでいい。

 

president.jp

  

 通知表は法定表簿ではないから作成しなくてもいいのに、普段の業務プラス30時間くらいかけて作っているのが現状です。しかも給特法があるために、残業代はゼロ。ひろゆきさんも書いているように《日本の教育現場には、思考停止の前例主義が満ち溢れている》というわけです。

 

 

 

 ひろゆきこと西村博之さんの『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』を読みました。枕が長くなってしまったのは、せっかくの土曜日なのに通知表の作成に追われているからです。現実逃避的にブログなんて書いているから追われることになるのですが。

 

 Chapter1 社会 「生きづらさ」の正体に気付けない人たち
 Chapter2 仕事 「モンダイ」を抱えてがむしゃらに働く人たち
 Chapter3 教育 「謎の慣習」に従い続ける人たち
 Chapter4 政治 「終わるきっかけ」を必死でつくる人たち 
 Chapter5 人間関係 「付き合い方」を間違えている人たち 

 

 上記の5つのテーマについて、叩かれるから今まで黙っておいた、すなわち《多くの人が知らない、または目を背けている》世の中の真実について、ひろゆきさんが事例やデータを挙げながら解き明かしていく一冊です。例えばTwitterで大きな話題となった以下の事例。

 

 

 スポーツジムや屋形船なんて行ったことがない人もたくさんいるだろうに、なんでわざわざ(?)という話です。朝夕と、罰ゲームのような満員電車に揺られながら通勤している身としては、密閉された仮設テントではなく、隠蔽された満員電車の方がしっくりきます。

 

 でも、それを指摘してしまったら経済活動に影響が出るかもしれません。国や大企業に忖度しなければならない立派な評論家やテレビ局のアナウンサーは、やたらなことは言えないのでしょう。

 

 小中高の先生が、こういった視点で世の中の事象を解説することができたら、《フェイクニュースや陰謀論のようなまったく根拠のない情報に騙されてしまう》人たちは減っていくだろうに。通知表なんて書いている場合ではない。全然ない。リテラシーを磨かないと。

 

 例えば「仕事」に関するリテラシー。

 

「担当業務でより多くの成果を出すため」に残業するというのは、前時代的な価値観による働き方です。

 

 その通り。今は高度経済成長期でもバブル期でもない。ひろゆきさんが言うように《自分のやるべき仕事を定時内にきっちり終わらせて、オフの時間にリフレッシュし、冴えた頭で仕事に取り組んでいる人のほうが会社にとっては価値が高い人だと言える》はずです。

 にもかかわらず、教員が夜遅くまで、あるいは朝早くから休憩時間ゼロで働き続けるのはなぜでしょうか。定額働かせ放題という「モンダイ」を抱えたままがむしゃらに働くのはなぜでしょうか。仕事が多いからです。人がいないからです。リテラシーがないからです。
  

 例えば「教育」に関するリテラシー。

 

 しかし、「これまでやってきたから」という理由で、明らかに不合理なことを続けるのは本当にバカげています。不合理なことは変えていく。大げさなことを言えば、これを繰り返してきたからこそ、人類は発展してこられたはずです。

 

 通知表とか、やめればいいんですよね。あるいはもっと短時間でできるものにする。所見は年に1回でいいし、出欠席の記録なんていらない。ハンコもいらない。校長印を担任が押す学校もあったけれど、ホント、謎の慣習です。不合理です。人類の一員として悲しい。

 不合理なことは変えていく。もしも先生たちの仕事が定時内にきっちり終わる量になったら、ひろゆきさんが「おわりに」で勧めているように「これって本当なのかな?」って調べる癖もつくかもしれません。1%のひらめきを子どもたちに還元できるかもしれません。

 

www.countryteacher.tokyo

 

 なまけもの時間術と1%の努力を武器に通知表と闘おう。そう思って以前のブログを読み返したところ、せっくの土曜日に、そしてせっかくの誕生日に、わざわざやることでもないかなって思えてきました。締め切りは少し先です。1%のひらめきに賭けてみようかな。

 

 なまけもの時間術がフェイクだったらどうしよう。

 

 パパ、バドミントンしよう🎵  By 長女と次女。 

 

 

1%の努力

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  • 作者:ひろゆき
  • 発売日: 2020/03/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)