前年度の先生が非常に高圧的な指導で子どもたちに物を言わせない、シーンとした一見静かな学級をつくっているのだけど、子どもたちの中では不満が鬱積している。翌年、こういう落ち着いた子たちだったら若手や病休が明けた先生に任せても大丈夫だろうという…
その意味において、戦争責任の問題で言論の弾圧だけに言及してしまうのは、検証が甘すぎるといわざるをえない。戦前・戦中には、言論の自由が制限されたことは確かだが、軍部の発表をいわば ”あうんの呼吸” でそのまま記事にしていた。新聞側の取材姿勢にも…
國分 授業もそういう意味では中動態ということだよね。つまり、教師が能動で、生徒が受動じゃダメで、そこに中動態的なプロセスがなければいけない。千葉 そう。だから、最近流行りのアクティブラーニングとか言って、学生にアクティブに課題か何かをやらせ…
じつは国土交通省や日本道路公団の心ある若手職員のなかには、いつまで自分たちは採算を度外視した道路をつくりつづけなければいけないのか、と疑問を抱いている者も少なくない。しかし、自分たちから止めてくれ、と言うわけにはいかず、じつは外からの声を…
私の周りの起業家でも、自分より活躍している人の話を聞きに行く人がたくさんいます。パーティに参加したり、講演会を聞きに行ったりします。やる気やモチベーションが偶然高まるのを期待せず、安定して維持できるように工夫しているわけです。 私もいまだに…
猪瀬 昭和天皇が亡くなってちょうど1年になろうとしていますが、昭和天皇は一種の創業者で、いまの天皇はジュニアというイメージですね。 自民党の国会議員も約40パーセントがジュニア。世襲議員なんです。それに官僚出身の議員も25パーセントいる。世…
つまり、猪瀬氏が、膨大でつかみどころのない事象を細心の注意をはらって分析していった果てに見いだすのは、無定見な欲望であれ、脆弱な理想主義であれ、意識的であれ無意識的であれ、要するに固有名詞をもった個人のヴィジョンなのである。どんな巨大な文…
これはたんなる比喩であろうか? 中卒者を「金の卵」とよぶとき。それはだれの、どのような期待を反映しているか? いうまでもなく、それは彼らが、雇用者たちにとって、下積みの安価な労働力として貴重品であることを示す。鎌田忠良氏が的確に指摘するよう…
ガネーシャの言う痛みが一体どんなものなのか明らかになってはいませんが、それは、あなたを不幸にしてしまうものかもしれません。「夢をかなえることと、幸せになることは違う」 これはよく言われる言葉ですが、ガネーシャは、「夢をかなえる」とは言ってい…
わたしたちが〈いいこと〉のために自分を犠牲にするというとき、なにがほんとうに〈いいこと〉であるか、それをどのようにしてわたしたちは知ることができるのか。 友人の生命を助けて死んだカムパネルラは、文句のない善行にみえる。それでもカムパネルラは…
給特法を簡単に説明すれば、「教職は聖職だから残業代は出さない」という法律です。50年前に自民党の文教族によって定められました。そして今の教育現場で教師たちは、授業だけではなく親への対応や学校の雑務など、あまりに仕事量が多くて疲弊しきってい…
⚪昔はアレだね、兄弟多いから、船から落として「帰れッ」って言えたけどね。いまは一人っ子だから無理だもんね。その後、輪島から出た水泳選手、どうでしたか。⚫何人か出たけど、駄目ですね。高校が進学校に切り替わっちゃったから。昔は大学行くなんてタイ…
「本ちゅうのはな、この地球に生きてきた何億、何十億ちゅう人らの悩みを解決するために作られてきたんやで」 ――確かに、ガネーシャの言うとおりかもしれない。 この世界には、過去に僕と同じ悩みを抱えていた人がたくさんいて、僕の方から手を伸ばしさえす…
スナック菓子ばかり食べるエージェント・オハラは間食のあいだにさらに間食するような、食に貪欲、間食に貪欲な男で、諜報員としての有能さという面では、エージェント・ハルトに遥かに劣るのだが、なぜか二人はチームを組むことが多かった。(伊坂幸太郎『…
だからこそリスクを提示し介入を試みる専門家は、自らが行う介入が、直接経験を情報経験に塗り替える実践であることに自覚的であるべきだろう。介入によって直接経験を漂泊し続けたのちに、リスクを恐れた被介入者が生活の中で身動きがとれなくなるのなら、…