田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

中原淳 監修、脇本健弘・町支大祐 著『教師の学びを科学する』より。Think different !!

「異動は最大の研修である」という言葉がある(例えば、大阪府教育委員会2008)。つまり、異動は、職能成長につながりうる最大の機会、という意味である。この言葉を聞いて、「その通りだ」とストレートに受け止められる教師はどの程度いるであろうか。とい…

ヨーラン・スバネリッド 著『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む』&「マル激(第1012回)」より。変わらなきゃ。

そのため、日本ではメディアの教育と言えばもっぱら「どうやって有害な情報から身を守るか」が重視されているように思われます。これに対して、スウェーデンの教科書では「どうやって有益な情報を発信できるか」が重視されています。そして、その先にあるの…

岩瀬直樹、中原淳、妹尾昌俊、他『ポスト・コロナの学校を描く』より。「学校をどうするか」から「学校を変えられない社会をどうするか」へ。

軽井沢風越学園(以下風越)の3ヶ月の試行錯誤をベースに、ポスト・コロナの学校像を描いてみたいと思います。 今回明らかになったのは、物理的に登校しなくても学ぶことは十分可能ということです。午前中は家庭でオンラインを活用して個別的に学び、午後は…

中原淳 著『フィードバック入門』より。王様は裸だ(!)って、耳の痛いことを伝えないとダメ。

フィードバックの概念は、情報通知という側面(ティーチング的・一方向の情報伝達)と、立て直しの側面(コーチング的・振り返りの促進)の二つを含みうるものであるということです。要するに、フィードバックは「ティーチング」と「コーチング」を含みこむ…

西田亮介 著『コロナ危機の社会学』より。保護者の不安のマネジメントって、大事。

既知のとおり、コストカットとムダ取り、支出削減は日本社会の至上命題であり続けている。それは公務員についてもいえ、人口当たりの公務員数はすでに世界最低水準になり、業務は増大であるにもかかわらず強い削減圧力とバッシングが続いている。こうしたト…

中原淳 著『駆け出しマネジャーの成長論』より。駆け出し学級担任の成長論。折れないためにはどうするか?

しかし、部下育成の重要性はわかっていても、その原理については知らないという人も多いようです。中には、自分が若い頃に出会った上司のやり方をそのまま再生産し、部下を厳しく追い詰めるなどして、チームに悪影響を与えてしまっているマネジャーも見受け…

坂口恭平 著『苦しい時は電話して』より。Follow your bliss. 死にたくなるのは、懸命に生きているから。

僕は建築家を志してきましたが、結局、地面に定着している建築物はひとつも設計しませんでした。 でも、僕は自分なりの空間をつくったつもりです。 それは声だけの空間です。人間の声が行き交うことで発生する公共施設。 死にたい人がいつでも助けを求められ…

上田信行、中原淳 著『プレイフル・ラーニング』より。あなたが書くことができれば世界を変えられる。

上田 「学ぶこと」は、「変わること」であり、「変えること」です。「読むことは、あなたの世界を広げる。でももし、あなたが書くことができれば世界を変えられる」というような意味のことを言ったパウロ・フレイレ(Paulo Freire 1921-1997)は、すごいと思…

神保哲生、宮台真司 著『暴走する検察』より。「有能さ」のあり方について。

宮台 今回とても重要だと思ったのは、「有能さ」のあり方です。検事の有能さと医者の有能さは似ていると思いました。患者一人ひとりに向き合っていたら処理できない。簡単に言えば、流れ作業のような対処をしないと仕事が終わらない。介護の仕事をやっている…

中原淳 著『働く大人のための「学び」の教科書』より。2番を歌うな。で、そういう「あなた」はどうなのだ?

ちょっと前のことになりますが、かつて、東京糸井重里事務所(現・株式会社ほぼ日)を取材させていただいたときのことです。あるスタッフの人が「糸井さんがよくおっしゃる言葉」として、「2番を歌うな」という言葉を紹介してくださいました。 これは、昨日…

中原淳+パーソル総合研究所 著『残業学』より。ハッシュタグは「先生死ぬかも」ではなく「先生残業やめるってよ」に。

仕事を通じて「フロー」や「幸福感」を持つことができるのは、それ自体悪いことではありません。しかし、この「フロー」に近しい幸福感が、超・長時間労働において感じられているのであれば、話は別です。心身の健康を犠牲にしても仕事の手を止めず、依存症…

沢木耕太郎 著『星をつなぐために』より。たぶん、方法は力なのだ。児童をつなぐために。

沢木 しようがないことなんですよ。それは当たり前のことで、相手があることで、相手の持っているエネルギーによって、出来、不出来に差が出てくるのは当たり前じゃないかと。ところが書き手にとっては、そうかんたんにわりきれない。だって、自分という存在…

ポール・オースター著『ブルックリン・フォリーズ』より。おもしろい大人をたずねて三千里。

彼と同じく、私も大学で英文学を専攻した。そしてさらに、文学を引きつづき学ぶか、ジャーナリズムに挑戦するかといった夢をひそかに抱いていたが、私にはそのどちらを追求する勇気もなかった。人生が邪魔に入ったのだ――二年間の兵役、仕事、結婚、家族を持…

301回目の投稿。ひろゆきさん、宮台真司さん、妹尾昌俊さん、中原淳さんに感謝。他にもたくさん感謝。

「終わらない日常」を生きるとは、スッキリしない世界を生きることだ。何が良いのか悪いのか自明でない世界を生きることだ。私たちが今日生きているのは、すべてが条件次第・文脈次第で評価されるしかないような複雑なシステムである。にもかかわらず、条件…

本間浩輔、中原淳 著『会社の中はジレンマだらけ』より。人生もジレンマだらけ。時短の問題は、みんなの問題なのだ。

中原 部下育成には原理原則があります。人材開発研究で明らかになっている「人を育てる原理」とは、端的に述べるならば「マネジャーがリスクを取って部下に仕事を任せて、適切なタイミングでフィードバックをすること」、これに尽きます。この場合のリスクは…