田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

伊坂幸太郎 著『マイクロスパイ・アンサンブル』より。教員の働き方が変わりますように。さぁ、作戦会議だ!

スナック菓子ばかり食べるエージェント・オハラは間食のあいだにさらに間食するような、食に貪欲、間食に貪欲な男で、諜報員としての有能さという面では、エージェント・ハルトに遥かに劣るのだが、なぜか二人はチームを組むことが多かった。(伊坂幸太郎『…

磯野真穂 著『他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学』より。お前、ゴンドラ猫にされるぞ!

だからこそリスクを提示し介入を試みる専門家は、自らが行う介入が、直接経験を情報経験に塗り替える実践であることに自覚的であるべきだろう。介入によって直接経験を漂泊し続けたのちに、リスクを恐れた被介入者が生活の中で身動きがとれなくなるのなら、…

映画『Marry Me』(カット・コイロ監督作品)より。変わるためには、違うことをしなければいけない。

私自身はずっと変わらず同じ人間ですが、生きていくなかで色々なことをやってきて、それがだんだんと広がって大きくなっただけなのです。そこにいるのは、ひとりの人間だけです。(劇場用パンフレット『Marry Me』東宝、2022) こんにちは。昨夜、かつての教…

上阪徹 著『子どもが面白がる学校を創る 平川理恵・広島県教育長の公立校改革』より。リーダー次第で、大人も面白がれる。

実は校長時代、内申を作るのに、教師たちが時間を取られて大変な思いをしていたのも、平川は知っていた。間違ったことを書いたら、誤記載として問題になる。緊張感はひとしおだった。みんなが苦しんでいたのだ。「だから、自分でアピールすればいいんです。…

猪瀬直樹 著『日本凡人伝 死を見つめる仕事』より。死を見つめつつ、生も見つめつつ、今を生きる。

良し悪しは別で言うが、アメリカ人は車を馬車の延長線上で利用してきたように思う。したがって、ときにはオーバーなデコレーションが流行ったことがあったにしても、基本的にはきわめてシンプルな機能を求めた。ところが、日本車はエレクトロニクスという名…

西田亮介 著『ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』より。ぶっちゃけ、誰が公教育を動かしているのか?

その反動と、教育権より学習者中心の学習権が大事だということで、ゆとり教育と呼ばれる、子どもの創造性、自由度、主体性を増やす路線へと舵を切ることになりました。「学力の低下を生む」として評判のよくなかったゆとり教育ですが、実際には学力低下は観…

水野敬也 著『夢をかなえるゾウ1』より。「偉人のエピソード」と「ガネーシャの課題」のハッピーセット。小学生の子どもたちにも、ぜひ。

「これからはな、毎日寝る前に、自分がその日頑張れたことを思い出して『ようやったわ』てホメや。一日のうち、絶対一つは頑張れてることあるから、それを見つけてホメるんや。一日の最後はな、頑張れんかったこと思い出して自分を責めるんやなくて、自分を…

映画『夢みる小学校』(オオタヴィン監督作品)より。夢みる学校と普通の学校。どちらが普通なのか?

小学生の僕は、図工にしか興味がない多動な少年でした。(診断されたわけじゃないけど)現代なら「多動児」という「病気」にさせられて、薬を飲まされちゃってるかもしれません。できることなら、タイムマシーンに乗って「小学生の自分」を連れ去り、「夢み…

佐渡島庸平 著『観察力の鍛え方』より。子どもたちを観る力を鍛えて、ドミノの1枚目を正しく倒す。

40歳になったときに、なぜ論語で「不惑」というのだろうかと考えた。自分は惑わなくていいような正解を知らないと思った。でも、ふと、そうではないかもしれないと気づいた。あれが正解かもしれない、これが正解かもしれない、と惑わなくなる。それは、絶…

武田砂鉄 著『わかりやすさの罪』より。わかりやすい授業より、反復的に思索せざるをえない授業を創ろう。

そのNHKの『クローズアップ現代』で23年もの間キャスターを務めてきた国谷裕子が、番組の役割をどう規定していたかといえば、「物事を『わかりやすく』して伝えるだけでなく、一見『わかりやすい』ことの裏側にある難しさ、課題の大きさを明らかにして…

岡崎勝、宮台真司 著『大人のための「性教育」』より。授業規律より動機づけ。知識より動機づけ。

「動機づけ」が「知識」よりも大切だとはじめて語ったのが、200年前の思想家ラルフ・ワルド・エマソンです。彼を引き継ぐ立場が「プラグマティズム」です。「実用主義」という翻訳は誤りで、正しくは「動機づけ主義」です。「知識より、動機づけ」を、そ…

内田樹 著『複雑化の教育論』より。子どもの成熟は通知表では測れない。どうして、子どもたちをそんなに急かすんですか?

この四半世紀の間に、日本人の知的水準は劇的に低下しました。知性の発現が制度的に抑圧されている。もちろん潜在的には知性は豊かにあるんです。でも、それを発動できないでいる。 最大の理由は「話を簡単にする人が賢い人だ」というデタラメをいつの間にか…

猪瀬直樹 著『解決する力』より。決断する力、解決する力、勝ち抜く力をつけるためには?

困難な課題でも、発想力があれば乗り切れる。意志とは、できる、どうにかなるという楽観主義を前提として貫けるものなのだ。感性と責任感と集中力で自ずと「解決する力」が湧き出てくる。 霞ヶ関の官僚機構の宿痾を分析した『日本国の研究』を読んだ小泉首相…

駒崎弘樹 著『政策起業家』より。振休なしの土曜授業、これっておかしくないっすか?

一連の説明をした後に、ある高齢の男性議員が発言した。「こんなことになったことに、驚いている。我々は十分やっていたと思っていた」 僕はその議員の顔を穴が空くくらいじっと見た。彼が冗談を言っているようには見えなかった。本気でそう言っていたのだ。…

小川淳也、中原一歩 著『本当に君は総理大臣になれないのか』より。千軍は得やすく、一将は求め難し。

ーー政府が本気になればできましたか?小川 できる。良い悪いは別にして、政府・総理大臣が本気になれば郵便局すら民営化できるんだから。道路公団も民営化できるんだし、70年積み上げた憲法解釈だって変えられるんだから。時の総理大臣が本気になればね。…