田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、旅行、映画」

江澤隆輔 著『教師の働き方を変える時短 5つの原則+40のアイデア』より。空気を読むな、本を読め。授業準備の時間を先に決める。

 忙しすぎると、学校の「命」であるはずの授業のための準備が疎かになってしまいます。中学校では1日に1時間から2時間程度の「空き時間」があり、その時間に教材研究などをすべきものでした。しかし、現在は授業とは関係のない雑務に追われ、十分に準備ができないまま授業に臨まざるを得ない状況にあります。
(江澤隆輔『教師の働き方を変える時短 5つの原則+40のアイディア』東洋館出版社、2019)

 

 こんばんは。昨夜、高校生の長女と二人で「金曜ロード SHOW!」の『バック・トゥ・ザ・フューチャー  PART3』を観ました。先々週の PART1、そして先週の PART2 に続く小確幸です。思春期まっただ中の長女に「絶対おもしろいから」と声をかけて無理矢理誘ったPART1。授業準備まっただ中のわたしに「パパ、始まるよ」と、今度は長女が声をかけてきたPART3。さすがの名作映画です。思春期の壁もひとっとび。とはいえ、昨夜はこれまでとは違って、ただ「生きられた」時間を心置きなく楽しむというわけにはいきませんでした。

 

 翌日に土曜授業が控えていたからです。 

 

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 今日は土曜授業でした。疲れが抜けず、日付が変わろうとしている今もヘトヘトです。昨夜、長女との小確幸を優先し、睡眠時間を削って《学校の「命」であるはずの授業のための準備》をしたためでしょうか。

 土曜授業の準備は金曜日の「空き時間」に行う予定でしたが、疲労でダウンした先生のクラスに入ることになったので、その時間をとることができませんでした。空き時間が空き時間として機能しない事態がここ数年確実に増えてきているし、ポスト・コロナショックの学校ではさらにそういった事態が増えることが予想されます。誰かの代わりに授業に入った場合、私立の中には賃金が支払われる学校もあるそうですが、チーム学校を標榜する公立ではもちろん無償です。その時間にするはずだった仕事が未来に持ち越され、持ち帰り仕事というかたちでチーム家庭をぶっ壊す可能性があることには誰も言及しません。だからスティーブ・ジョブズじゃなくてもこう言いたくなります。

 

 Think different!(間違っている!)

 

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 間違っている働き方を変えるために、いわゆる「時間術」を謳う本がたくさん出版されています。ひろゆきさんの『なまけもの時間術』もそうだし、中島聡さんの『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』もそうです。上記2つのブログで言及している、本田直之さんの『レバレッジ時間術』もそうです。

 教師でいえば、教育界のプリンスこと岩瀬直樹さんの『成果を上げて5時に帰る教師の仕事術』がよく知られています。最近でいえば、小学校と中学校の両方に勤務した経験をもつ、福井県の公立学校教諭・江澤隆輔さんの『教師の働き方を変える時短 5つの原則+40のアイデア』が話題でしょうか。

 

教師の働き方を変える時短

教師の働き方を変える時短

  • 作者:江澤 隆輔
  • 発売日: 2019/03/09
  • メディア: 単行本
 

 

 この『教師の働き方を変える時短 5つの原則+40のアイデア』は、Twitter のオフ会で、著者である江澤さんに直接お会いしたことがきっかけで購入しました。オンライン全盛の時代ですが、やはりリアルで話を聞くというのはいいものです。賢いなぁ、この人。よし、買おう。そういった「熱」が生まれやすいからです。

 江澤さんが紹介している時短の原則は以下の5つです。40のアイデアについては是非購入して読んでみてください。

 

 原則1 職員室の空気は読まない
 原則2 プライベートの充実がいい教師のカギ
 原則3 情報はオールインワンに
 原則4 仕事に優先順位をつけ「ない」
 原則5 ICTは時短技術の宝庫

 

 私が思うに、大事なのは原則1と原則2。小飼弾さんの書籍のタイトルを借りれば、2つ合わせて『空気を読むな、本を読め。』となります。学校にいることだけが「真面目」ではないのだから、同僚が遅くまで残っていたとしても、同調圧力に屈することなく定時で帰ろう。そして本を読むなり我が子と一緒に名作映画を観るなりして人生を思いっきり楽しみ、そこからヒントを得て《取り巻く生活すべてを授業に役立たせよう》という原則です。

 中島聡さんの「ロケット・スタート仕事術」を彷彿とさせる原則4を含め、原則3~5は、どれも仕事の生産性を上げるための「術」であり、原則1と原則2を実現するための手段といえます。

 ちなみに岩瀬直樹さんの『成果を上げて5時に帰る教師の仕事術』も、生産性を上げるための「術」の内容に違いはあれど、目指すところは同じです。《プライベートや家族を大事にしながら、教師もクラスも成長できるそんな方法を、一緒に探していきませんか?》として、特に原則2にあたるものを大切にしています。

 

 江澤さんも岩瀬さんも、賢い。

 

 賢いから「術」がうまく機能して、プライベートの充実を仕事の充実につなげることができる。では、その「術」をうまく使いこなせない、わたしのような普通の教員がプライベートを充実させるためには、どうすればよいのでしょうか。

 

 学校の「命」であるはずの授業のための準備を削るしかない。

 

 現状、学校現場はそうなっています。冒頭の引用にある通りです。全教科を教える小学校の学級担任には、空きコマがほとんどなく、江澤さんいうところの「小学校の担任は個人商店」という実態もあって、「命」の削られ具合は中学校よりもひどいのではないでしょうか。解決策があるとしたら、ただひとつ。それは原則6として時間術の鉄板を学校現場にも組み込むことです。先に決めるという鉄板です。

 

 原則6 授業準備の時間を先に決める

 

 岩瀬直樹さんが「休日の予定を先に決めておく」ように、レバレッジ時間術の本田直之さんが「自己投資の時間を先に決めておく」ように、学校も授業準備の時間を先に決めて、会議などが入ってくるのをブロックすればいい。だってそれが「命」なのだから。要するに授業準備の時間を勤務時間内に枠として確保した上でカリキュラムをつくる学校にしましょうという話です。難しいことを言っているわけではありません。練習時間を勤務時間内に確保していないプロ野球チームはないですよね。当たり前のように「命」を大切にしている学校。わたしたちの学校は「授業の準備をしています」と胸を張って言える学校。そういった学校は存在するのでしょうか。あったら、教えてほしい。

 

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 ポスト・コロナショックの学校で、一時的とはいえ、分散登校が続いたり、午前授業が続いたりした時期がありました。そのときに感じたことは「午前20人、午後20人の分散登校」よりも「午前40人の通常登校」の方が、午後に授業の準備をする時間を確保できるぶん、圧倒的に働きやすいということです。時間術や仕事術を使いこなせなかったとしても、システムが変われば、教師の働き方は変わる。いずれにせよ、

 

 プライベートの充実を妨げる土曜授業は不要。

 

 おやすみなさい。

 

 

成果を上げて5時に帰る教師の仕事術

成果を上げて5時に帰る教師の仕事術

  • 作者:岩瀬 直樹
  • 発売日: 2016/01/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)

  • 作者:小飼 弾
  • 発売日: 2009/10/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)