田舎教師ときどき都会教師

テーマは「小学校教員の働き方と生き方」&「本、旅、人」

田中泰延さんに倣えば、服部龍生さんは「聴きたい音を、出せばいい。」

 しかし、ともかく、わたしは自分を「それはわたしです」と言い得る簡潔な単独の略号をおもいつきません。ましてや、先生が生徒に、
「君はだれ? 何する人? って聞かれたら、すぐ大きな声でわたしは何々です、と答えられるような人間になりなさい」
 などと教えているのをみると、どうも不当なことを教えてるような気がしてならないのです。自分は自分自身の明日なのであり、自分の意識によってさえ決定づけられ得ない自発性なのです。
寺山修司『家出のすすめ』角川文庫、1972)

 

 11月はクラスが荒れやすいといわれている時期です。1学期は6月、2学期は11月、そして3学期は2月です。現場の経験則として「いわれている」だけでなく、上越教育大学の赤坂真二先生がデータでも示していることから、傾向としては、実際にそうなのでしょう(「6月危機」を考える - <日本学級経営学会発>学級経営ガイドブック - 明治図書オンライン「教育zine」)。

 そんなわけで、知らず知らずのうちに神経をすり減らしていたのかもしれない11月。師走を目の前にして息切れしそうになったので、昨日は半日休みをとって充電してきました。充電もとは、表参道にあるレトロなカフェと、それから3回目となる服部龍生さんのライブです。

 

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カフェ レ ジュ グルニエ(表参道/コーヒー専門店)

 

 久し振りに「あっ、美味しい」と思える珈琲を飲みました。さすが表参道です。量は少なめですが、この味なら納得だなぁ。創業は1976年。42年という長い歴史をもつだけのことはあります。追加の一杯は200円 & お店との「同世代」感もあって、ついつい長居してしまいました。

 

 そこから歩いて南青山のMANDARAへ。

 

 東京の友人らと合流して、服部龍生さんの新作 CD「Ryusei Hattori」のリリースライブを満喫しました。

 

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スペシャルトリオ(Sax、6弦B、Drs)

 

 左から順にサックスの Masaru Koga さん、6弦ベースの服部龍生さん、ドラムの森崇さん。私が贔屓にしている髭ダンのような「ボーカル(+ピアノ)、ギター、ベース、ドラム」というオーソドックスな編成ではなく、ちょっと変わったスペシャルトリオです。ただし主役はもちろん「6弦フレットレスベース一本でオリジナル曲を奏でるソロ演奏家」である服部龍生さんです。『読みたいことを、書けばいい。』の田中泰延さんも贔屓にしているという服部龍生さん。

 

 

  今回で3回目となる服部龍生さんのライブ。1回目はドラムの森崇さんとのデュオ、2回目はソロ、そして3回目がトリオということで、毎回ちょっと異なる「音」を聴くことができて、かなりしあわせです。

 

 龍生さんのやっている音楽は、既存のジャンルにあてはまらない。

 

 ニューヨークからはるばるやってきているというサックスの Masaru Koga さんが、服部龍生さんの音楽を評して「職業は寺山修司です」みたいな話をしていました。ベースがど真ん中にいて、歌をうたうようにメロディーとリズムを奏でるっていうのは、なかなかないですよね。『読みたいことを、書けばいい。』に倣えば、服部龍生さんのスタンスは「聴きたい音を、出せばいい」という感じでしょうか。

 

 聴きたい音を、出せばいい。

 

服部龍生」という新しいジャンル。いきなり「職業は寺山修司です」と言われたら、おそらくは「えっ?」となるのと同じように、服部龍生さんのライブに初めて足を運んだときには、正直「えっ?」という感覚の方が強かったことを覚えています。メジャーなジャンルである「ピアノ・ポップ」や「ポップ・ミュージック」に属する髭ダンはすぐに好きになりましたが、服部龍生さんの音楽については「あっ、カッコいい」と思うまでに少し時間がかかったということです。1日目のライブでは「えっ?」、CDを聴き込んだ上で臨んだ2回目のライブでは「あっ、美味しい」ではなく「あっ、しみこむなぁ」という感覚。そして3回目のライブでは、心も体もクタクタだったということもあってか、すっかり感動してしまいました。特にアンコール前のラストの2曲。タイトルは、えっと、何だっけ。

 

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酔いも手伝って曲名を失念する……。

  

 カフェと服部龍生さんからエネルギーをもらって、さぁ、明日は研究授業だ。「職業は寺山修司です」、或いは「ジャンルは服部龍生です」とまではいきませんが、学校スタンダードなどは意識せずに、自分らしい授業ができたらいいなと思います。

 

 受けたい授業を、やればいい。

 

 正解。