かなり遅くなって僕らはその店を出て、サン・ミッシェルの方向へ歩き出した。「不思議だよね」 彼女が不意にそんな言葉を呟いた。「小林君と夜中のパリをこうして歩くなんて、不思議だよね」 確かに実に不思議な気が僕もする。八年ほど前の四月に同じ新聞社…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。