田舎教師ときどき都会教師

テーマは「小学校教員の働き方と生き方」&「本、旅、人」

映画『新聞記者』を観ました。そして再び「勇気」のこと。

 もちろん官僚の界隈にも「勉強も遊びもできる人」がいます。でも、そういう人から順番にスピンアウトしていきます。麻布の同級生を見てもそう。なぜでしょう。
 ポストにしがみつく「正しさよりも損得」という生き方にウンザリするから。そう。劣等感に支配された「勉強田吾作」の特徴は「正しさよりも損得」にあります。
(宮台真司、岡崎勝、尹雄大『子育て指南書 ウンコのおじさん』ジャパンマシニスト舎社、2017)

 

 8月末に「滑り込みセーフ」で以前から気になっていた映画を観てきました。参院選のときに話題となっていた映画『新聞記者』(藤井道人 監督)です。場所は渋谷のユーロスペース。大好きな映画館です。

 

新聞記者 (角川新書)

新聞記者 (角川新書)

 

 

 損得よりも正しさを追求する新聞記者(♀)
 損得と正しさの狭間で揺れる官僚(♂)

 

 映画『新聞記者』は、そんな二人の主人公が、ちょっとわかりやすい「悪」と対峙する、リアルを織り交ぜた社会派エンターテインメントです。

 映画の感想の前に、昨夜のワンシーンから。一回り年下の友人(♀、新聞記者)と、仕事帰りに繁華街を歩いていたときの会話です。

 

 友人「わたし、最近、怖くてここ歩けなかったんです」

 オレ「えっ、なんで?」

 友人「この前、酔っ払ったおじさんがそこで寝てて。そのおじさんから、若者二人が財布を盗っちゃったんですよね。それでわたし、放っておけなくて、その二人組を注意しちゃったんです。返しなさいよって。正義感っていうかなんていうか。足とか震えちゃってるのに。さいわい若者のひとりがわりとまともで、財布をおじさんの服に戻してどこかへ行っちゃったから、よかったんですけど。それ以来、ちょっと怖くて。でも、今日は先生と一緒だから安心です」

 オレ「テヘッ」

 

 友人(♀)の振る舞いをOKとするか、それともNGとするか。映画『新聞記者』をラディカルに要約すれば、そのようなテーマをもったストーリーといえます。要するに、身近にもよくある「勇気」の話。でもこれってなかなか難しくて、友人には、NGの意味合いを込めて、諭すような言葉をかけてしまいました。だって報復とかされたら、人生がめちゃくちゃになってしまいますから。おそらく長女や次女が同じようなことをしたとしても、心配が先立って、それはちょっと「NG」かなって、言ってしまう気がします。勇気もほどほどにって。ほどほどの勇気なんて何の役にも立たないことを知りつつ。

 

   
 個人の人生がめちゃくちゃになる可能性があったとしても、勇気をもって「悪」に立ち向かうことができるか田舎、もとい否か、という問いかけ。映画は、観客に答えを委ねるかたちで終わります。あなたならどうする(?)という、無言のラストシーン。

 正しさ?
 それとも損得?

 文脈によるな~。そしてその「文脈によるな~」とか言っている私のようなクズ(社会学者の宮台真司さんの口癖)が世の中を悪くしているような気がします。そしてクズは男に多い。映画でも揺れているのは男だし。やれやれ。教育委員会や管理職にも男が多いためか、働き方改革も遅々として進まず。

 ちなみに、引用した『子育て指南書  ウンコのおじさん』の著者の一人、岡崎勝さんはもと小学校の教員です。勝手に憧れています。岡崎さんのように、勇気をもって学校の外で活躍する教員が増えれば、働き方改革も進むのだろうなぁと思います。

 

 結局、人。
 やっぱり、生き方。

 

 

子育て指南書 ウンコのおじさん

子育て指南書 ウンコのおじさん