田舎教師ときどき都会教師

テーマは「小学校教員の働き方」&「読書、旅行、映画」

西野精治さんの『スタンフォード式 最高の睡眠』より。90分の黄金法則 ≒ 黄金の3日間。

 日本だと電車通勤が多いと思うが、よく席に座って眠っている人を目にする。
 ちなみに電車内の仮眠はたいていノンレム睡眠だ。体がぴくぴくしたり眼球運動が出ない人の方が多いだろう。座ったままの不安定な姿勢では、そう簡単にはレム睡眠は出てこないのだ。深い睡眠にいきなり入るので、目覚めは当然悪い。
 日本で企業向けの講演などをすると、「朝晩の電車での細切れ睡眠は、睡眠不足解消に役立ちますか?」という質問を受ける。
 結論からいうと、連続して眠った6時間と、細切れで眠ったトータル6時間は質がまったく違う。スリープサイクルが、細切れでは正しく現れないためだ。
(西野精治『スタンフォード式 最高の眠り』サンマーク出版、2017)

 

 おはようございます。今日は在宅勤務なので、満員電車に乗る必要も、電車内で仮眠をとる必要もありません。臨時休校であろうとなかろうと、電車に乗れば行きと帰りで約2時間半。この時間を自宅での睡眠にあてることができれば、どんなにかしあわせだろうといつも思います。

 日本人には、睡眠時間が6時間未満の人が約40%もいるといわれています。これはアメリカでは短時間睡眠と見なされる数値です。

 

 眠らない国、日本。
 眠れない国、日本。

 

 みんな睡眠が足りてないのだろうなぁ。朝夕、電車に乗るたびに、こちらもウトウトしながらそう思います。もしも私に絵を描く才能があったら、「令和浮世寝『いねむり』展」とでも称して、個展を開くのに…。

 

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浮世寝 その1

 

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浮世寝 その2

 

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浮世寝 その3

 

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浮世寝 その4

 

 画家の俵たけしさんの絵です。20年くらい前に、インドのカルカッタにあるゲストハウスのドミトリー(2段ベッドが8つの16人部屋)で知り合いました。縁は育むもの。たった一度の人生、話しかけない手はありません。

 

www.countryteacher.tokyo

 

 2017年4月1日の神奈川新聞に《俵さんは若いころや60歳を過ぎてから、バックパッカーとして通算5年近く世界を旅し、海外の街角で似顔絵を描いて旅費を稼ぐなどしていた。2001年の帰国後、海外で見られない電車内の居眠りに「こんな幸せで平和な国はない」と感動。数分で素描を仕上げ、自宅で彩色した作品は、十数年で約1万枚に上る》とあります。

 

 1万枚!

 

 3年前に箱根町湯本の平賀敬美術館の一角で開かれた、俵さんの個展「平成浮世寝『いねむり』」を紹介している記事です。海外では目にすることのない電車内での居眠り。俵さんは「こんな幸せで平和な国はない」と感動しています。

 

 が、しかし……。

 

 居眠りしている当事者の私としては「こんな不健康で多忙な国はない」と、違う意味で心を動かされてしまうというのが正直なところです。スタンフォード大学医学部精神科教授の西野精治さんが、日本人に向けて『スタンフォード式  最高の睡眠』を書きたくなったのも、浮世寝をしている人たちの気持ちを鑑みてのことでしょう。

 

スタンフォード式 最高の睡眠

スタンフォード式 最高の睡眠

  • 作者:西野精治
  • 発売日: 2017/02/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 この本は、医師の岩田健太郎さんとジャーナリストの岩永直子さんの共著『新・養生訓』を読んだのがきっかけで手にしました。岩田健太郎さんと岩永直子さんが、11冊の健康本をクリティーク(批評)した対談の中で、岩田健太郎さんに唯一認められていたのが、この『スタンフォード式  最高の睡眠』だったからです。

 

岩田 (前略)実際に今回読んだ本の中にも、読みやすくてわかりやすくて、内容もしっかりしている本というのはありましたね。
岩永 どの本でしょう・・・。
岩田『スタンフォード式  最高の睡眠』です。

 

 最高の睡眠を手に入れるためにはどうすればいいのか。西野精治さんは《睡眠にまつわる悩みもストレスも、「量の確保」では解決しない》として、睡眠の「量」ではなく「質」に着目し、最先端の睡眠医学でわかっていることを教えてくれます。そして最高の睡眠を手に入れるためのシンプルにして最も重要な方法を次の言葉でいい表します。

 

 90分の黄金法則。

 

 小学校の教員ならピンとくるでしょうか。そうです、最高の睡眠を手に入れるポイントは、学級経営でいうところの「黄金の3日間」と全く同じなんです。学級経営の質は、学年始めの最初の3日間で決まるという話と同じように、レム・ノンレムの周期にかかわらず、睡眠の質は、眠り始めの90分で決まるというわけです。この眠り始めの90分を深くするためにはどうすればいいのか。

 

 眠りの定時を厳守すること。

 

 例えばそんなことが書かれています。定時ですよ定時。教育現場でももっともっと叫ばれて然るべき言葉です。みなさん、定時ですよ(!)。岩田健太郎さんも《すぐ帰りなさい。休養をとるのは権利でなくて、患者さんのための義務》と言っています。教員が定時で帰るのは、子どもたちのための義務だぁぁぁ。

 

 週末の寝だめは効果があるのか?
 レムとノンレムは90分周期じゃなかったのか?
 昼食後の眠気を制するにはどうすればいいのか?

 

 睡眠にまつわる科学的な知見がザクザクと得られる本です。電車の中でうたた寝してしまうすべての人に、西野精治さんの『スタンフォード式  最高の睡眠』をお勧めします。

 

 冒頭に戻ります。

 

 今日は在宅勤務。

 

 この後、8時15分になったら学校に電話を入れて、勤務を始める旨を伝えます。気合いを入れるための「アムロ、行きまーす」ってやつです。満員電車とコロナのことを考えると、ニュアンスとしては「生きまーす」に近いかもしれません。そして16時45分になったらもう一度電話を入れて、勤務を終える旨を伝えます。そんなわけで、今日はコロナに怯えることなく、浮世寝することもなく、健康な一日を過ごせそうです。

 

 アムロ、生きまーす。

 

 

新・養生訓 健康本のテイスティング

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