田舎教師ときどき都会教師

テーマは「小学校教員の働き方と生き方」&「本、旅、人」

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー。ややこしい多様性への愛。

「でも、多様性っていいことなんでしょ? 学校でそう教わったけど?」
「うん」
「じゃあ、どうして多様性があるとややこしくなるの」
「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」
「楽じゃないものが、どうしていいの?」
「楽ばっかりしてると、無知になるから」
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』新潮社、2019)

 

「私たちはイエローでブラックで、かなりブルーよね」って、かつての同僚に勧められて読み始めたブレイディみかこさんの本。さっき読み終わりました。本屋大賞を受賞するだけあって、よかったぁ。今週は6連勤で明日の土曜日も授業があるのでかなりブルーでしたが、限りなく透明に近いブルーに変わりました。或いは、聖母マリアのブルーに。

 

 青は聖母マリアの色。

 

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同宿のバックパッカーから譲り受けたマザー・テレサの写真

 

 上の写真は、カルカッタにあるマザーテレサの施設で2ヶ月ほどボランティアをしていたときに、同宿のバックパッカーのお姉さんから譲り受けたものです。マザーテレサをずっと取材していたカメラマンさんからもらったそうで、そのカメラマンさんは「マザーテレサのことをより多くの人に知ってほしい」という目的で写真をリアルに拡散していたとのこと。SNSとかなかったからなぁ、あの頃。

 

 数枚、私のもとにも届きました!
 道徳の授業でよく使っています!

 

 日本人がこの「白地に青い線の修道女の服」を着ると、それこそぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーになるなぁなんて、どうでもいいことを考えてしまうくらいに疲れている金曜日の夜ですが、マザーテレサの施設にいたときのことを振り返ると、疲れたなんて言っていられないなぁと思います。

 道端で倒れていた老人を施設に運ぶために抱きかかえたときの「人間って、こんなにも軽くなるのか」という驚きとか、施設で亡くなっていく身寄りのない老人たちの「存在の耐えがたき軽さ」とか。楽じゃなかったからなのか、とてもよく覚えています。

 

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マザーテレサの施設「プレムダン」のボランティア仲間(00)


 孤児の家や死を待つ人の家は人気があってボランティアがたくさんいるという話だったので、人気がなくて人手不足という「プレムダン」に通っていました。プレムダンには男女合わせて200人近くの身寄りのない高齢者がいて、ボランティアは掃除や洗濯、食事や介護などの仕事を行っていました。写真は昼食後の休憩タイムのときに撮ったもの。いちばん左に写っているイタリア人のルカさんとは仲良しになり、その数ヶ月後に日本で再会することに。

 

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我が家(実家)にステイしたルカさん、本場のパスタ🎵(00)

 

 そばがらの枕に驚き、あたたかい便座に驚き、そしてなめらかに動くスライド式のロックにも驚くなど、何にでも興味を示し、驚きながら楽しみまくっていたルカさん。職業はフリーのフォトジャーナリストで、1973年のピューリッツァー賞受賞作である『ベトナムの少女』(フィン・コン・ウト撮影)に写っている少女にも会いに行ったことがある、とのこと。ナパーム弾から逃げ惑う村人らとともに写っていた、裸の少女、当時9歳のキム・フックさんのことです。

 

ベトナムの少女―世界で最も有名な戦争写真が導いた運命 (文春文庫)

ベトナムの少女―世界で最も有名な戦争写真が導いた運命 (文春文庫)

 

 

 あの子がその後どんな人生を送っているのか、気になったから会いに行ったそうで、フットワークの軽さに、さすがは今わたしの家にいるだけのことはあるなぁ、と思いました。ちなみにナパーム弾によってひどい火傷を負ったキム・フックさんは、その後アメリカで治療を受け、今はアメリカで生活しています。母として😊

 いろいろなことに関心があって、いろいろなところに行って、いろいろな人と出会う生き方。かなりのエネルギーがいるはず。でも、楽ばっかりしていると無知になるから。すなわち楽ばっかりしていると無関心になるから。そして何より、愛の反対は憎しみではなく無関心だから。エネルギーの源にあるのは、きっとそういうことなのだと思います。

 

 ややこしい多様性を愛せる人に。

 

 イエローでホワイトで、ちょっとブルーな「ぼく」も、物語の最後にイエローでホワイトで、ちょっとグリーンになった「ぼく」も、マザー・テレサやルカさんと同じように、ややこしい多様性を愛せる人なのだろうなぁと思いました。我が子や教え子にも、そうなってほしいものです。

 

 あっ、「変形労働時間制」の導入法案、衆院委で可決だ(速報)。

 

 やっぱり、かなりブルーだ😭 

 

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

 
限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)