田舎教師ときどき都会教師

読書のこと、教育のこと

横道誠 著『レトロな世界に分け入る』より。3人のユニークなレトロ商に出会えます。

 こうやって「第四次レトロブーム」に耽るうちに、僕はじぶんの書物に対する興味も見直すようになって、本だけでなく好きなレトログッズを並べた「理想の本棚」を模索するようになった。その一例が写真41の本棚だ。ここに並べた書籍とその著者名を書きだしてみよう。
(横道誠『レトロな世界に分け入る』教育評論社、2025)

 

 おはようございます。かき分けて中に入るという意味での「分け入る」という表現がぴったりの4月を何とかこなし、ようやく、本当にようやく、光り輝く週(の後半)に辿り着きました。

 

 まぶしい。

 

 異動してから1ヶ月とちょっと。学級には少しだけ慣れてきたものの、学校には依然として「慣れない」という状況が続いています。なかなか慣れることができないのは、そこで待っているはずの魅力的な教員にまだ出会えていないからかもしれません。1対1でおしゃべりを楽しむような余裕が全くないんですよね。だから、まだ顔と名前が一致しない同僚がたくさんいます。全員、

 

 謎。

 

 6年前の前回の異動のときはどうだったのだろう。ふとそう思い、日記を読み返してみたところ、当時の心境云々よりも、2019年のゴールデンウィークは10連休だったという事実に、

 

 びっくり。

 

 

 びっくりといえば、潜中八策。もとい、船中八策。世の中には実にいろいろな日本酒があって、ありとあらゆる日本酒を飲んでみたい気持ちになります。ありとあらゆる日本酒を写真に収めたい気持ちにもなります。日本酒呑んで旅ゆけば、換言すると、日本酒の世界に分け入れば、そこでは魅力的な「人」が待っていて、

 

 さらに深みに。

 

www.countryteacher.tokyo

 

 呑む文筆家こと山内聖子さんが日本酒の世界に分け入り、その世界のことを発信したくなったのも、レトロ商のなりそこないこと横道誠さんがレトロな世界に分け入り、その世界のことを発信したくなったのも、分け入った先に魅力的な「ヒト」がいたからでしょう。どんな世界であれ、分け入った先に魅力的な「ヒト」がいると、その世界は美しく思えます。

 

 結局、ヒト。やっぱり、生き方。

 

 

 横道誠さんの『レトロな世界に分け入る』を読みました。「ほどよく」なんて生きられない横道さんが、30代の半ばになってから抱くようになったという「将来の夢」について語った一冊です。その夢とは、

 

 レトロ商になりたい!

 

 なぜ横道さんは「レトロ商になりたい!」と思うようになったのか、レトロ商はどうして魅力的なのか、切っても切り離せない「モノ」と「ヒト」との関係とは(?)、この本を読むと、そういったことがよくわかります。写真をたくさん載せるなど、《レトロな世界に興味がある人もない人も楽しめるように》という心配りも行き届いていて、レトロ商って何(?)という私のような読者も楽しめる内容になっています。ちなみにレトロ商というのは「古物商」のことです。以下、序章に書かれているレトロ商=古物商の説明と、目次です。

 

 レトログッズを扱う業態は「古物業」という。レトログッズを扱う人は「古物商」と呼ばれる。盗品の売買を防ぐべく、警察署を窓口として「古物商許可証」を申請し、都道府県公安委員会に認可してもらうことで、古物商になることができる。

 

 序 章 レトロ商を読みとくために 
 第1章 カズさんと昭和レトロ 
 第2章 ナンブさんとマンガと紙モノ 
 第3章 迅太さんと古道具と制作 
 終 章 レトロ商のなりそこない

 

 目次を読むと、やはりこう思います。結局「ヒト」だな、と。「モノ」の魅力も、「ヒト」次第だな、と。出会った「ヒト」によってその街やその国、その学校の印象が変わるように、出会った「ヒト」によってその「モノ」の印象も変わるのだろうな、と。だから横道さんはカズさんとナンブさんと迅太さんの「生き方」をセットで描いているのだろうな、と。紹介されているレトログッズと同様に、三人のレトロ商の生き方も、横道さんと同様に、実にユニークで、

 

 魅力的。

 

 

 

 

(私にとっては)マニアックに過ぎました。文章と写真で紹介されている数々のレトログッズのことです。あまりにもマニアックだったために、そしておそらくは異動疲れがたまっていたために、3人の「生き方」ほどには興味がもてず、終章に登場する《本だけでなく好きなレトログッズを並べた「理想の本棚」》が救世主のように思えました。

 

 ホッ。

 

 横道誠ワールドに分け入りたい人にとって、この「理想の本棚 with レトログッズ」は必読&必見です。ぜひ手にとって読んで&見てみてください。

 

ウツボのたたき(2025.4.30)

 

 船中八策の肴にウツボを食べました。人生初。高知の土佐を代表する海産珍味ウツボは、とがった口、鋭い歯、そのどう猛な姿から「海のギャング」と呼ばれているそうです。注文はしたものの、ウツボの姿を想像してしまい、なかなか箸が進まず。高知では正月や秋の神祭のご馳走として振舞われているそうですが、実際のところはどうなのでしょうか。この光り輝く週に、その高知に住んでいる友人と4年ぶりに会う予定なので、聞いてみようと思います。

 

 楽しみだな。

 

 よい連休を!