「酒屋万流」ということばがあるのですが、
酒蔵によって「米を洗う」作業ひとつとっても
手法は異なります。
また、つくり手はとても研究熱心なので
毎年のように新しい試みにチャレンジし、
技術は時代ごとにどんどん更新されています。
(山内聖子 著『Beginnig Nihonshu・Japanese Sake ~はじめての日本酒~』和醸和楽、2017)
おはようございます。先日、母の傘寿祝いに日本酒を買いに行ったところ、山内聖子さんの『Beginnig Nihonshu・Japanese Sake ~はじめての日本酒~』が無料で配布されていて、うん、ラッキーでした。本来であれば、
税込みで定価1000円。
和醸和楽 発行『Beginnig Nihonshu・Japanese Sake ~はじめての日本酒~』読了。日本酒の素人でもその作り方がよくわかる一冊。酒屋万流、酒蔵によって米を洗う作業ひとつとっても手法は異なり、曰く《日本酒は汲めど尽きない井戸水のように奥が深くて楽しいお酒なのです》とのこと。楽しい。#読了 pic.twitter.com/cwAMqXasf5
— CountryTeacher (@HereticsStar) September 15, 2024
ポストにも書いたように、素人にもわかりやすい内容で、そして日本酒のことを知らない欧米人にもわかりやすいようにと英語でも書かれていて、さらには黒崎玄さんというイラストレーターが描いている絵もわかりやすくて、全125頁、サブタイトルの「はじめての日本酒」に相応しい、えっ(?)これが無料(?)という一冊になっています。そんなわけで、はじめての日本酒に該当する人だけでなく、はじめてじゃない日本酒に該当する人にもお勧めしたいところですが、どうやらアマゾンや楽天などでは売っていないようです。ぜひ、版元の和醸和楽に直接問い合わせてみてください。
和醸和楽?
和醸和楽というのは《手造りの日本酒文化を伝承・育成・発信し、わが国の食文化の発展に寄与すること」という理念のもと、次世代を担う新しい日本酒ファンの開拓に向けて「0杯を1杯にする活動」を運動として、全国の名だたる著名27蔵元と、有力酒販店35店、計62社が一堂に会した任意団体》だそうです。私がこの本を手に入れた酒販店も巻末の会員一覧に名を連ねていました。次回、足を運んだときにはお店の人に和醸和楽のことを聞いてみたいと思います。
昨夜も、旨かったぁ。秋といえば、ひやおろし、秋あがり、等々。で、季節を感じることもできるこれらの日本酒が、どのような工程を経てつくられているのかといえば、《しかしながら、読んだからといってすぐに日本酒のつくりかたを理解するのは難しいかもしれません。想像できないことも、あるでしょう。でも、だからこそ、おもしろいともいえます》とあるように、複雑なんです。教室のつくり方や、先生のつくり方と同じくらい、
複雑なんです。
1.原料
2.みがく
3.枯らし
4.洗米
5.浸漬
6.蒸す
7.麹づくり
8.酒母づくり
9.もろみづくり
10.しぼり
11.濾過
12.加水
13.びん詰め
14.火入れ
15.ラベル貼り
うん、複雑だ。メインの「日本酒のつくりかた」では、この1~15について、黒崎玄さんのイラストを交えつつ、山内聖子さんが文章を構成し、説明していくという流れになっています。目次でいうと、最初が「こんなふうにつくってます」&「はじめに」で、次が「日本酒のつくり方」、そして「おいしくてたのしい日本酒」を挟んで、最後が「おわりに」です。
いちおう読書&教育ブログなので、「日本酒のつくりかた」を、岩瀬直樹さんいうところの「きょうしつのつくり方」や「せんせいのつくり方」に照らし合わせてみたところ、例えば「麹づくり」のところに書かれている下記の説明などは、教員のそれと同じだなぁと思いました。
麹のよしあしによって酒の品質が
左右されるといっていいほどで
お酒がおいしくなった、といわれる蔵元に秘訣を聞くと
麹づくりを見直した、ということが少なくありません。
つくり手は目指す酒質にあわせて、
どんな麹をつくるかをよく考えています。
学級担任は児童の実態や目指す児童像にあわせて、どんな教室をつくるか、どんな授業をつくるかをよく考え、年度が替わるごとに見直しをしています。そして冒頭の引用にある日本酒のつくり手と同じで、毎年のように新しい試みにチャレンジし、技術(教育技術)をどんどん更新しています。つまり、酒屋万流に対して、
教室万流。
この本を無料で配っていた酒販店に、山内聖子さんの『日本酒飲んで旅ゆけば』が置いてありました。日本酒仲間に勧められた、サケラボトーキョー・甲斐勇樹さんの『日本酒を好きになる』と合わせて、今度読んでみたいと思います。飲めば飲むほど、読めば読むほど、そして旅ゆけば旅ゆくほど、
日本酒が好きになって、
楽しい。