田舎教師ときどき都会教師

テーマは「小学校教員の働き方と生き方」&「本、旅、人」

働き方を変えて、ただの「よその人」をもっと身近な存在に!

 でもひとつだけ目に見えて変化したことがある。それは電車に乗ったときに、まわりの乗客をごく自然に見渡すようになったということだ。そして、「ここにいるこの人たちみんなに、それぞれの深い人生があるのだな」と考える。「そうだ。僕らはある意味では孤独であるけれど、ある意味では孤独ではないのだ」と思う。この仕事をする前には、そんなこと思いつきもしなかった。それはただの電車であり、ただの「よその人」でしかなかった。

村上春樹『雑文集』新潮社、2011)

 

 今日は日本語教師をしている友人と10年ぶりに再会し、ご飯を食べつつ、それぞれの人生についてのこれまでとこれからを喋りまくってきました。で、30分ほど前に帰宅。

 

 お腹いっぱい。

 

 明日の授業のことで頭もいっぱい。金曜日を除く平日の夜に「友人との外食」を楽しむっていうのは、学級担任をしているとなかなか大変なことで、食事をしつつも、翌日の授業のことが頭を離れないなんてこともしばしばです。しかし今夜は10年振りの再会ということで、「残業や持ち帰り仕事を前提とした働かせ方を改めろ~」という怒りとともに、授業のことはいったん頭から切り離して、互いに好き放題喋ってきました。楽しかった~。今日も、そして箱根で再会した10年前も。
 

 以下、10年前の学級通信『Swing』より。

  

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いざ鎌倉へ、ではなく、いざ箱根へ!

 社会の教材研究(伝統工芸品など)と旅仲間との再会を兼ねて、日曜日に箱根に行ってきました。友人は、外務省とASEANの共催による「日本・インドネシア経済連携協定に基づくインドネシア人看護師・介護福祉士候補者に対する事前研修」に日本語の講師として参加しています。バンドンで4ヶ月、そして箱根で2ヶ月。全くのゼロからスタートする語学研修とのことですが、ほとんどの候補者が僅か半年足らずで次のような文章を書けるようになるというから驚きです。

 

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ロスタートで半年足らず、驚きの成長ぶり

 毎日いっしょうけんめい勉強しています。
 だんだん上手になります。
 私たちはがんばりたいと思います。
 

 子どもにせよ大人にせよ、日本人にせよインドネシア人にせよ、日々の学習の積み重ねが大きな一歩につながること、そしてがんばっている仲間の存在が励みになることは同じです。寄木細工の魅力を語ってくれた職人さんの話も、二児の母親という、三十代の候補者が書いたこの一日の振り返りの文章も、教材にして子どもたちに伝えたい(!)って、そう思いました。

 

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年休をとって東京へ。10年ぶりの再会、有楽町にて。

 

 ここ数年、ベトナムインドネシアなどからやって来る「外国人技能実習生」の失踪に関するニュースをときどき目にします。残念なニュースです。雇用主がベトナムインドネシアを旅したことがあるバックパッカーだったとしたら、技能実習生が失踪したくなるような状況を放置しておくとは思えません。過去に「かかわった」経験があれば、彼ら彼女らをただの「よその人」とは思わないし、思えないからです。教室でも地域でもそうです。関心をもてば、進んでかかわりをもてば、周りの人たちは「よその人」ではなくなります。

 

 関心をもつこと。
 進んでかかわりをもつこと。

 

 たぶんそれができないのは、制度の欠陥もさることながら、実習生を雇う側の人たちに余裕がないからなのだろうなぁと思います。友人も頷いていました。おそらくは過労死レベルで働いている多くの先生たちも、そう思うはずです。教員も余裕がなくなると、子どもに関心をもったり進んでかかわりをもったりすることに「疲れ」を覚えてしまいますから。

 

 技能実習生だけでなく、
 日本人についても、

 

 働き方改革、待ったなし 。

 

 

村上春樹 雑文集

村上春樹 雑文集