田舎教師ときどき都会教師

読書のこと、教育のこと

2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

窪美澄 著『夜に星を放つ』より。本を読む大人はカッコいい。

これで船場さんとの関係がぷつりと切れた凧糸のように終わるとも思えなかった。けれど、その予感はあった。希里子も希穂もそうやって自分の前から姿を消したのだ。(窪美澄『夜に星を放つ』文春文庫、2025) こんにちは。昨夜、東京は三鷹にあるUNITE(ユニ…

宮崎智之、山本莉会 著『文豪と犬と猫』より。文豪も子どもも、関係性から読み解く。

私は今、六十五才の老人であるが、いきものに対しては子供と同じように興味を持っている。私は又、私の文章が子供の文章に似ているとも思っている。私は私の中に、そういう子供らしさが多分に残っている事を感ずる。そして、そのため、色々な事を面白く感じ…

遠藤周作 著『フランスの大学生』より。宮崎智之さんお勧めのエッセイ!

また、女学生を珈琲店に伴って煙草を奨めた時「戸外では育ちのいい家の娘は煙草を喫いませんのよ」と断わられて、何言ってやがると癪に障ったことがあった。ぼくが、癪に障るのは、その判断の是非のためではない。青春時代に、自分の人生の目的が育ちのいい…