田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

村中直人 著『「叱れば人は育つ」は幻想』より。読むと、指導観も児童観も変わります。

中原 「叱る」と「依存」という言葉の組み合わせはキャッチーですよね。自分の「叱る/叱られる」体験を振り返ってみたときに、多くの人がちょっと思い当たるところがある。そこをうまく突いている指摘だと思います。村中 最初は「依存」という言葉を使って…

勅使川原真衣 著『職場で傷つく』より。言えないから、癒えない。

いいですか。繰り返しますが、誰が正しくて、誰が間違っている、という単純な話ではないのです。お互い異なる「持ち味」があるのが人間です。その凸凹がどうもうまくかみ合っていない状態が、組織としてどこか「うまくいっていない」状況と言うべきではない…

宮崎智之 著『平熱のまま、この世界に熱狂したい』より。サウイフモノニ、ワタシもナリタイ。

つまり「何者か」というのは本来、be の話だったのにもかかわらず、どこまでも目的達成的で、存在そのものを顧みない「実感」に乏しいものになっているがゆえに、焦燥感、空虚感にさいなまれる do 的な時間感覚に追われる状態になってしまっているのではない…

源河亨 著『愛とラブソングの哲学』より。愛とは何か、ラブソングとは何か。

ラブソングと愛の関係を考える本書にとって、トルバドゥールの存在は重要です。トルバドゥールたちが作った詩は、「愛とはこのようになされるものだ」という考えを広める役割を果たしました。つまり、歌が愛の概念を広める役割を果たしたのです。そうすると…

柴崎友香 著『あらゆることは今起こる』より。柴崎友香さんと横道誠さんの対談イベントに参加してきました。

運動能力は比較的、生まれつき、というか、各個人の素質がもともと違うと理解されているけれども、発達障害の人が困っていることに関しては、意志が弱い、だらしない、などと判断されがち。「運動能力は各個人の素質だけれど、意志は個人の意志、本人がコン…

アンディ・ウォーホル 著『ぼくの哲学』より。なるったけ長い間赤ん坊でいたらいいと思う。

きれいな人は平凡な見栄えの人より人を待たせる傾向にある。きれいであることと平凡であることの差はずいぶんと大きいよ。きれいな人はたいていの人は待っててくれるって知っているから遅れても慌てない。だからもっと遅れるようになる。そして遅れてくれば…

二村ヒトシ 著『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』より。愛してくれる人を好きになれない。カントが予言し、二村さんが固めた。

「他の人にとられるくらいなら、殺してしまいたい、不幸になればいい」と思うのは恋です。そして、それは愛ではありません。(二村ヒトシ『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』文庫ぎんが堂、2014) おはようございます。上記の引用と、それ…

西川純 著『『学び合い』 誰一人見捨てない教育論』より。生涯レベルの子どもの幸せを目指す。

世の中には優れたノウハウがあります。有名なのは向山先生の跳び箱の跳ばせ方があります。あれは強力だと思います。それを『学び合い』に併用したいと願うのは当然です。併用すれば、跳び箱は早く跳べるようになるでしょう。しかし、子ども達が関わり合い、…

横道誠 著『アダルトチルドレンの教科書』より。基本事項と理論と実践を同時に学べる教科書です。

アダルトチルドレンという言葉にエンパワメントの機能があるという説明は、かんたんに納得できた。ぼく自身、じぶんの問題や境遇に名称が与えられて、大いに力づけられた。ぼくは親の良いところも知っているから、毒親とか親ガチャとかいう言葉には正直に言…

松尾英明 著『不親切教師のススメ』より。「楽しい授業」をやめる。習字の掲示もやめる。

現在では、大学でも「アィティブ・ラーニング」が標榜され、一斉の講義型授業を脱していこうという動きがある。講堂で行わざるを得ない大規模な人数での授業ならともかく、それ以外ではゼミ形式の少人数討論型の授業が多くなっている。 小学校でも、この流れ…

勅使川原真衣 著『働くということ』より。他者と何かを仕合うことで「仕合わせ」になる。

しかしながら、私たちの社会は、「自立」を目指すばかりに、本来組み合わさってなんぼの人間を「個人」に分断し、序列をつけて「競争」させる ―― これを学校で、職場で、こと現代はしこたまやりすぎました。そこから生まれたものは、冒頭からお伝えのとおり…