田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小川公代 著『ケアする惑星』より。ケアする人を大切に。

女性が孤立させられる社会においては、「ある協会」や『つまらぬ女』のような女性たちが連帯する物語がもっと語られてもよいのではないだろうか。(小川公代『ケアする惑星』講談社、2023) おはようございます。先週、卒業式が終わり、修了式も終わり、やる…

映画『茶飲友達』(外山文治 監督作品)より。茶飲友達、募集。

犯罪を許してはいけないが、正しさの押し付け合いの社会の中で、本当の正義とは何なのか。多様性が叫ばれる中で、この無言の同調圧力は何なのか。孤独とは、欲望とはなにかを正面から語る映画を、私は十年間ずっと作りたかったのである。(オフィシャルフォ…

勅使河原真衣 著『「能力」の生きづらさをほぐす』より。磯野真穂さんとのトークイベントに参加してきました♬

最後に。1994年冬、担任にハブられた私に両親は「もう学校行かなくていいよ」と言いました。愛で受け止めてくれたからこそ、翌日も何食わぬ顔をして学校へ行くことを自ら選びました。いつも多様な「正しさ」を見せてくれる両親に感謝します。親孝行する…

小川糸 著『あつあつを召し上がれ』より。本当に美味しい食べ物も、異性に対する好きという気持ちも、悩ましい。

「美味しい」 口の中にまだ熱々のしゅうまいを含んだまま、それでも驚きの声を上げずにはいられなかった。固まりの肉を、わざわざ叩いて使っているのだろう。アラびきの肉それぞれに濃厚な肉汁がぎゅっと詰まって、口の中で爆竹のように炸裂する。「うん、や…

藤原章生 著『酔いどれクライマー 永田東一郎物語』より。絵葉書ではなく、物語にしてもらえた先輩。

これは目標の喪失にもつながるが、常に最先端を意識していた永田さんはいつの間にか、登る動機が、高校時代に吉川智明さんと登ったときのような、「山の中にいる、ただそれだけの喜び」から、メディアへの評価へと変わっていった面もあったのではないだろう…