田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

立川談志 著『立川談志自伝 狂気ありて』より。価値紊乱者ありて。

旅の話でもするか。よく旅をしたっけ。まだ誰もが外国なんぞに行けなかった頃の話をしよう。どこから書くか。整理がつかない。思い出すまま、気の向くままだ。 南まわりでヨーロッパに行ったっけ。金がないからソビエト航空、つまり「アエロフロートロシア空…

小泉悠 著『ウクライナ戦争』より。大統領にも社長にも学級担任にも、コンサルが必要。

ちなみに、プーチンは大統領就任前に行われたジャーナリストとのロングインタビューで、KGBを志した動機を次のように語っている。プーチンによれば、少年時代の同人にスパイへの道を決心させたのは、ソ連時代のスパイ映画やスパイ小説であった。こうした…

大内裕和 著『なぜ日本の教育は迷走するのか』より。給特法成立初期の頃は4時退勤が普通だった。

岡崎さんのご経験としては、給特法成立初期のころの働き方はどのような感じでしたか。岡崎 確かに「四時退勤」を普通にしていましたよ。大内 それは驚きですね。それは岡崎さんだけでしょうか。皆さんそうでしたか。岡崎 当時も遅くまで仕事をしている人もい…

601回目の投稿。猪瀬直樹さん、竹内慶至さん、駒崎弘樹さん、和田靜香さん、宮台真司さん、西田亮介さん、中原淳さん、等々。またまた感謝。

繰り返すが、日本人のとどまるところを知らない働きすぎ、つまりゆとりのないすさんだ心情は、近代化以降、欧米コンプレックスのなかで形成されたにすぎいない。 処方箋は、自画像の再構築の果てに存在するような気がする。(猪瀬直樹『迷路の達人』文藝春秋…

岡真史 著『〈新編〉ぼくは12歳』より。ぼくはしなない。なぜならば……。

ぼくはしなないぼくはしぬかもしれないでもぼくはしねないいやしなないんだぼくだけはぜったいにしなないなぜならばぼくはじぶんじしんだから(・・・・・・・・・)(岡真史『〈新編〉ぼくは12歳』ちくま文庫、1985) こんばんは。先日、授業でコラボして…

土井善晴、中島岳志 著『料理と利他』より。料理論と授業論はよく似ている。

中島 レシピ自体が極めて近代的なもので、政治学で言う設計主義なんですよね。人間がすべてをコントロールし、そして、こういうふうにやれば世の中がうまくいくという考え方。けれども現実は、それどおりにはいかないわけですよね。むしろそういうものが他者…

中島岳志 著『思いがけず利他』より。5年生の道徳の『手品師』は誠実? それとも思いがけず利他?

それは、親鸞が、「言葉の器」になろうとしていたからだと思います。親鸞にとって、『教行信証』を書く自分は、先人の言葉をつなぐ触媒にすぎません。言葉は私のものではなく、私にやって来て留まっているもの。自分がオリジナルの何かを表現できるというの…

映画『RRR』(S.S.ラージャマウリ 監督作品)より。郷土愛があるかないかで、エネルギーの大きさも、教育の射程の広がりも、変わる。

数ある見せ場の中で、インド映画最強の武器ともいうべきハイライトのひとつがダンス・シーン。特に、テルグのスターの中でも踊りの巧さに定評のある2人の "ナートゥ" ダンス対決は、これが無ければこの2人を共演させた意味が無いといえるほど、まさに「待…