田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

猪瀬直樹 著『ニュースの考古学 Ⅲ』より。ちょっと未来を見てくるだけでよい。それだけで、なるほど、と思うことがいっぱいある。

ちょっと歴史を遡るだけでよい。それだけで、なるほど、と思うことがいっぱいある。ところがどうしても "現在" しか見ようとしない傾向が日本のジャーナリズムにあるようだ。(猪瀬直樹『ニュースの考古学 Ⅲ』文藝春秋、1994) こんばんは。明日は始業式だと…

デューイ 著、宮原誠一 訳『学校と社会』より。もしデューイがあなたの学校にいたとしたら、何を想うか。

私は旧教育の類型的な諸点、すなわち、旧教育は子どもたちの態度を受動的にすること、子どもたちを機械的に集団化すること、カリキュラムと教育方法が画一的であることをあきらかにするために、いくぶん誇張して述べてきたかもしれない。旧教育は、これを要…

ながのひでこ 作『とうさんかあさん』より。絵本の原点は、教室の原点と同じ。

とうさん しゅくだい わすれたこと ある? あるある よく ろうかに たたされたもんだかあさん しゅくだい わすれてたたされたこと ある? うーん いちど いちどきりね(ながのひでこ『新装版 とうさんかあさん』石風社、2005) こんばんは。今日、電車を乗り…

猪瀬直樹 著『ニュースの考古学』より。参議院の「存在感」について。日本人と「新宗教」について。予言の書。

緑風会が最も勢力を持った時期は、昭和20年代から30年代前半にかけてだった。作家の山本有三らが音頭をとり、参議院の無所属議員が集まって院内交渉団体として成立するのである。名称は五月の新風と英語のミドル(中間)をもじったもので、いずれの党派…

今井孝 著『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』より。たった一つを変えるだけ。

ネットで活躍している人の集まりに行くと、フォロワー数の多い人を羨望の目で眺めます。 ジムに行けば、鍛えられた肉体の人を見て落ち込んでしまいます。 社会貢献の団体の集まりに行くと、売上げばかり気にしている自分を振り返り、なんて小さな人間なんだ…

猪瀬直樹+信州大学客員講師団 著『なぜ日本人は働きすぎるのか』より。ライフスタイルを捉え直す。もっと遊ぼう。

猪瀬 ―― のちほどリポートを示しますが、日本人の労働といってもさまざまな類型に分類してから討論しなくてはならないと思います。日本でも労働時間が長い職種とそうでない職種があるわけです。はっきり言って、公務員はむしろ短いぐらいです。その公務員に…

中村文則 著『自由対談』より。総勢33名、36の対談と座談会が収められた、デビュー20周年を記念しての対談集!

高橋 ぼくたちが公に求めるのは応答ですよね。まず返事をしてほしい。拒否でも否定でもいい。人びとからの声に一切応答しない、それは、社会や政治の最悪の形態だと思います。中村 「桜を見る会」の問題でも、あれだけうそをつかれると、周りにいる人は変な…

養老孟司 著『子どもが心配 人として大事な三つの力』より。認知機能、共感する力、自分の頭で考える人になる。大人も心配。

養老 何もかも手に入るわけではないけれども、生きているだけで満足できる。そんな状況を、生まれてくる子どもたちに対してつくってあげないといけないでしょう。何も難しいことではありません。親が子どもに対して「あなたたちが元気に飛び跳ねていてくれれ…

鶴見済 著『人間関係を半分降りる』より。友人から一歩離れ、家族を開き、恋人をゆるめる。そうすれば気楽になれる。

物書きを始めた90年代に出したすべての本の底流に、この感覚を織り込んだつもりだ。 例えば『完全自殺マニュアル』という本で言った、「いざという最悪の時には死ぬことだってできるのだと思えば、楽に生きていける」。それはこのあきらめの力を生かすひと…

猪瀬直樹 著『死者たちのロッキード事件』より。歴史は繰り返す。ヘロドトスが予言し、猪瀬さんが固めた。

ロッキード事件は、戦後のさまざまな政治的事件の中でも、とりわけ戦後日本の政治構造をむきだしにしてみせた出来事だった。1976年2月、アメリカ上院外交委員会の多国籍企業小委員会は、ロッキード社が日本に対する旅客機と対潜哨戒機の売り込み工作に…

妹尾昌俊・工藤祥子 著『先生を、死なせない。』より。敵は義務教育標準法にあり。

もっとも、義務教育標準法ができた1958年当時は、1コマの授業にだいたい1時間程度の授業準備がかかるであろうという前提で文部省はいたことが、国会答弁でも明言されています。 現在の公立学校教員の1週間の勤務時間は38時間45分なので、仮に1週…

猪瀬直樹 著『禁忌の領域』より。政治と反社という「禁忌の領域」の存在を預言していたタイトル。ニュースの考古学って、すごい。

取材に受け応えしながら、いっぽうでこの女性の年齢はどのぐらいなのだろうと思いめぐらせていた。年齢を訊くのは失礼なので、あとで調べた。五十八歳とわかった。 日本で五十八歳の現役女性記者が何人いるだろうか。しかもテーマを見つけたら、さっとニュー…

岡崎勝、宮台真司 著『こども性教育』より。人間関係は酒と同じ。「いい恋愛」をするには、どうしたらいいの?

さて、ここまでのお話でみなさんがいま、どういう社会で生きているのかということがよくわかったと思います。 人間関係が空洞化して「孤独」になってきた。「孤独」ゆえに、心を病んだり、警戒的・攻撃的になったりする。だから人と仲よくなれない。そうした…

川村元気、近藤麻理恵 著『おしゃべりな部屋』より。片づけの目的は、自分がときめくものを見つけることにある。学校がときめくスクラップの魔法。

さまざまな家の本棚を見るたびに、わたしは思う。本というのは、持ち主の願望そのものだと。「食べてはいけない」「買ってはいけない」「信じてはいけない」そんな恐怖が並ぶ本棚もあれば、「こういう自分になりたい」「こんなことをやってみたい」という願…

時松哲也・山田眞由美 著、西川純 編集『仕事はここまで削減できる! 学校改革スタートブック』より。仕事はもっと削減できる!

早晩、担任がいなくて成り立たなくなる地域は生まれます。そうなったら、大分大学教育学部付属小学校のような改革をせざるを得ません。 例えば、部活は規模を縮小し、社会体育に移行するでしょう。部活命の教師は自宅近くの社会体育の指導者になるのです。登…

久保明教 著『機械カニバリズム』より。教室に他者を。教室に変化を。

将棋ソフトはまずもって、棋士が育んできた将棋観を揺るがす異質な他者として現れた。棋士が鍛えてきた精緻な物語的思考。それが人間の思考に一定の制約を与えるものでもあることが、流れを考慮しないソフトの数値的思考と関わるなかで明らかになったのであ…