田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

猪瀬直樹、田原総一朗 著『平成の重大事件』より。平成の轍を令和で踏まないために、私たちは、正しく傷つくべきだった。

田原 なるほど、敗戦も自然災害の一つね。日本は戦争をいまでも総括できていない理由かもしれない。猪瀬 天皇陛下が終わりだと祝詞のような玉音放送で言ったわけで、国民が自ら終わらせたのではない感じです。戦前の軍歌で『海行かば』ってあるでしょう。 海…

ひろゆき(西村博之)著『僕が親ならこう育てるね』より。私が読者ならこう参考にするね。

子どもに幸せになってほしいと願うならば、お金を稼ぐために「勉強しなさい」と言うよりも、「いい人間関係を大切しなさい」と教えたほうがいいということですね。(ひろゆき『僕が親ならこう育てるね』扶桑社、2021) おはようございます。引用していたら誤…

佐藤学 著『第四次産業革命と教育の未来』より。文科省 VS. 経産省。学びの道具 VS. 教える道具。

調査結果は、読解リテラシーにおいても数学リテラシーにおいても、学校でコンピュータの活用時間が長時間になると、学力は低くなることを示しています。(中略) この調査結果について、私はもう一つ別の解釈を持っています。現在のコンピュータの活用の仕方…

中原淳、田中聡 著『チームワーキング』より。すべての担任に、クラスを動かすスキルを!

我々、日本人の多くは小学校、いや幼稚園、保育園の頃から「お友だちとは仲良く」「仲良しチームは良いチーム」ということを植え付けられてきています。当然ながら、チームメンバー同士が「仲良くすること」は決して悪いことではありません。ではなぜ、行き…

松岡亮二 編著『教育論の新常識 格差・学力・政策・未来』より。少しでも明るい未来にするために、データと専門家と現場を重視してほしい。

政治と行政には「やりっ放し」から「結果を出す」政策へ転換を進めていただきたいですが、そのように期待するだけでは、文科省の「通知行政」による教育委員会と学校現場への丸投げとあまり変わりませ。なかでも文科省の官僚一人ひとりは、少なくとも私が直…

猪瀬直樹 著『道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日』より。立場ではなく、思いつきでもなく、データを基に議論することのカッコよさ。

道路特定財源(国が三兆五千億円、地方が二兆三千億円)が五兆八千億円もある。ガソリン税(揮発油税)などを中心とした目的税で道路以外には使ってはならぬとの金城湯池、これを高齢化対策や環境対策へ振り向ければどれほど国民のためになるか、小泉首相は…

岩瀬直樹 著『クラスづくりの極意』より。教育書以外の本を読もう。たぶん、読書は力なのだ。

先生が主役のクラス。いつのまにかボクはそんな道を歩んでいることに気づき、ガクゼンとしました。もしかしたらどこかで、「おもしろいことをしなければ子どもたちは勉強しない」「教師がひきつけなければ子どもたちは生き生きと活動しない」と思い込んでい…

猪瀬直樹 著『地下鉄は誰のものか』より。教育は誰のものか。

地下鉄の利便性を考えたら一元化することは当然なのだ。前章までで地下鉄王・早川徳次と強盗慶太こと五島慶太の争いをおさらいしてみた。早川は先見の明があったが、資金不足に陥った。五島は郊外私鉄を不動産業として位置づけることでビジネスモデルをつく…

工藤勇一、鴻上尚史 著『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』より。既存の学校が変わる=未来の社会が変わる。

①コンビニで万引きした ②下校時に雨が降ってきたので、玄関にあった誰かの傘を黙って持ち帰った ③学校にお菓子を持ち込んで食べた ④放課後、係の仕事をさぼって黙って下校した ⑤授業中に隠れてマンガを読んだ ⑥四階の教室のベランダの柵にまたがって友だちと…

河野哲也 著『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』より。こなす学校から、哲学する学校へ。

現代社会に生きる私たちは日々の活動に追われ、自分の人生、社会のあり方、人間の生き方についてじっくり考える時間を失っています。こどもたちにも同じことが言えます。こどもたちも、学校や塾などに忙しくしています。こどもたちの人間関係は大人と同じほ…

恩田陸 著『蜜蜂と遠雷(下)』より。社会に開かれた教育課程。閉じ込められた教育を元いた場所に返そう。

先生と話してたんだよ。今の世界は、いろんな音に溢れているけど、音楽は箱の中に閉じ込められている。本当は、昔は世界中が音楽で満ちていたのにって。 ああ、分かるわ。自然の中から音楽を聞き取って書きとめていたのに、今は誰も自然の中に音楽を聞かなく…

恩田陸 著『蜜蜂と遠雷(上)』より。オンライン配信? ギフトか、災厄か。

カメラを向けられるというのは嫌なものだ。撮るのを仕事にしている雅美ですらそうなのだから、ずっとカメラがそばにいて撮られるというのは、常人の神経にとっては多大なストレスである。(恩田陸『蜜蜂と遠雷(上)』幻冬舎、2016) おはようございます。9…