田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

猪瀬直樹 著『解決する力』より。決断する力、解決する力、勝ち抜く力をつけるためには?

困難な課題でも、発想力があれば乗り切れる。意志とは、できる、どうにかなるという楽観主義を前提として貫けるものなのだ。感性と責任感と集中力で自ずと「解決する力」が湧き出てくる。 霞ヶ関の官僚機構の宿痾を分析した『日本国の研究』を読んだ小泉首相…

駒崎弘樹 著『政策起業家』より。振休なしの土曜授業、これっておかしくないっすか?

一連の説明をした後に、ある高齢の男性議員が発言した。「こんなことになったことに、驚いている。我々は十分やっていたと思っていた」 僕はその議員の顔を穴が空くくらいじっと見た。彼が冗談を言っているようには見えなかった。本気でそう言っていたのだ。…

小川淳也、中原一歩 著『本当に君は総理大臣になれないのか』より。千軍は得やすく、一将は求め難し。

ーー政府が本気になればできましたか?小川 できる。良い悪いは別にして、政府・総理大臣が本気になれば郵便局すら民営化できるんだから。道路公団も民営化できるんだし、70年積み上げた憲法解釈だって変えられるんだから。時の総理大臣が本気になればね。…

岡嶋裕史 著『メタバースとは何か』&『マル激(第1087回)』より。メタバースはすごくいいぞ。でも、固定化された格差はすごくよくないぞ。

そんなに仮想現実がいいのか。 リアルでうまくやっていたり、リアルの生活に親和性の高い資質を持っている人には、ぴんとこない話だとは思うが、すごくいいぞ。 私はリアルで生きるのが苦手な人間である。人間関係に気ばかり使う割には、好かれもせず、仕事…

本田由紀 著『「日本」ってどんな国?』より。エピソードではなく、データで「考え、議論する」道徳をしよう。

しかし、他国という鏡に映してこの国の「学校」を振り返ってみれば、そこには特殊で「異様」な面がたくさん含まれています。慣れ切ってあきらめてしまえば、そのツケやしわよせは、これからの新しい世代にいつまでも直接に降りかかり続け、それはひいては社…

ちきりん 著『自分の意見で生きていこう』より。反応より意見。調べるより考える。

ドキュメンタリーやドラマだけでなく、多くの人がお手軽だと感じがちなワイドショー番組でさえ、作り手は多くのことを考えています。たかだか30分ほどの番組であっても制作するのは大変です。つまりテレビの作り手は「必死で考えている人たち」なのです。 …

町山智浩 著『恋する映画』より。人はどうして人を好きになるのか。子どもたちに問いかけたい。

これらの映画の主人公は恋愛を通して、それを超えた向こう側にたどり着きます。それは「他者」です。人は人を恋すること、愛することで、自分以外の人の気持ちをどうしても知りたいと願います。そのためには自分の心も開かねばなりません。それによって、今…

井上義和・牧野智和 編集、中野民夫、中原淳、他『ファシリテーションとは何か』より。絶望が問いを生み、問いがファシリテーションを要請する。

でも、世の中には口のわるい人もいますね。「だから、黙って、会社の世界にいろ」とか「学校の教育の素人のくせに、戻ってくるな」と言われたりするのです(笑)。けれども、本当に会社の世界を極めていくと、それ以前の世界がみえてきます。そして「学校教…

猪瀬直樹 著『決断する力』より。いつも心にチェ・ゲバラ。いつも心に猪瀬直樹。全国の小中学校の校長に届けたい。

明治維新による日本の近代化、富国強兵や殖産興業というのは、国民国家としての強制力を伴う政策によって実現した事実がある。徴兵制も、国が国民に求める義務である。それまでは武士だけが戦闘要員だったのを、一般の国民まで対象を広げたのが徴兵制だ。 と…

角幡唯介 著『探検家とペネロペちゃん』より。子どもは、極夜より面白い。親になろう、教員になろう。

子供が生まれて、子供が様々な何かをなしとげるときに感じる喜びは、親になってみなければわからない完全に新しい経験である。未知なる世界である。子供ができる前、私は、自分がこんなにも子供のことを考えて生きていくことになるとは思わなかった。若かっ…

和田靜香 著『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』より。対話する授業と対話する選挙で小さな民主主義を回そう。

小川さんは何度も、自分の政策を語ることよりも、みなさんの声を聞くことが大事だ、と言っていた。本当にそうだと思った。選挙の本来の意義はそこにあるんだと、私も心から思った。でもって、そんな大事なことを、これまで長い人生で何度も「選挙」を体験し…

橘玲 著『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』より。小学校の教科書には載っていない、もう一つの近代史。橘史観に酔う。

そんな世界で、わたしたちはどう生きていくのか。それが最後の問いになる。(橘玲『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』講談社現代新書、2021) こんにちは。そんな世界というのは、一部の富めるものと大多数の貧しきものに二分される、グラフでいうと…

猪瀬直樹 著『勝ち抜く力』より。批判するなら本を読め。若者に希望を創るのは、大人の義務である。

日本だけが持つ「伝統」が、世界を迎えるホスピタリティの基礎をなすこと、そしてヨーロッパの近代化とまったく違うユニークな文化の魅力を十分に訴えたことで、世界が東京のユニークさに気づき、オリンピック・パラリンピック招致という結果に結びついたの…

上野千鶴子 著『情報生産者になる』より。「何を教えるか」と「何を学ぶか」のあいだ。

上野ゼミの受講生たちから贈られるうれしいことばのひとつに、こんなものがありました。「上野センセは、わたしたちの中からまだ見ぬものを生み出してくれるお産婆さんみたいな存在なのよ」と。そのとおり、「まだ見ぬもの」は、もともとその人のなかに存在…

上野ゼミ卒業生チーム『情報生産者になってみた ―― 上野千鶴子に極意を学ぶ』より。個人の問いを社会の問いにつなげる知。

私は君たちには、「東大生にできることは小学生にもできます」って言ってたじゃん。基本は、自前の問いを自分で解く。一次情報をちゃんと取ってくる。ありもののセコハン情報を器用にまとめるっていうことをやらせない。その基本のキをやることにしたわけ。…