田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

坂口恭平 著『お金の学校』より。お金=経済=大丈夫、きっとうまくいくよ。

楽しむってのは、一つの技術でして、このお金の学校では、お金の話をベースにして、いかに楽しむか、いかに好きになるか、ってことを僕は実は伝えたいのですが、のっけから楽しいこと、なんていうとみんな思考停止に陥っちゃうので、楽しむことに慣れてない…

映画『僕は猟師になった』(川原愛子 監督作品)より。自分の「好き」や「生きているっていう感覚」を大切に。

撮影前は、とどめをさしたあと千松さんに何を質問すればいいか、ちょっと意地悪に「かわいそうだと思わないんですか」と聞いてみるといいのか?・・・・・・などと甘いことを考えていましたが、いざ直面すると打算は吹き飛び、何も聞くことができませんでした。む…

映画『KCIA 南山の部長たち』(ウ・ミンホ監督作品)&『マル激(第1034回)』より。ダイナマイトが爆発する前に、倫理的な行動を。

1979年10月27日朝、朝刊紙の朝鮮日報や韓国日報は、急遽1面を差し替えて「大統領有故(ユゴ)」― 大統領に不測の事態 ― というヘッドラインで、午前4時に戒厳令が敷かれたことを報じた。朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が金載圭(キム・ジェギュ)…

映画『BABYTEETH』(シャノン・マーフィ監督作品)より。今、生きているということ。それは、手放すということ。

でも親以外の世界に触れると、そのバランスが変わるの。成長する中で面白いと思うのは、私くらいの歳の子が家族以外の人間と会い始めると、世界が広がった感覚になり、より多くの人を受け入れるのよ。でもミラの親にとってそれはなかなか簡単に処理できるこ…

藤原章生 著『ぶらっとヒマラヤ』より。老いは敵ではない。だから老いて旅するのも悪くない。

変化、つまり加速度を書きたいのだ。一定の速さで時間が過ぎていくのではなく、遅くなろうが速くなろうが、そこにある加速度。つまり、ヒマラヤに行くという特殊な体験、60前という年齢経験が自分自身に何らかの変化、加速あるいは減速をもたらすか、とい…

猪瀬直樹 著『日本国・不安の研究 「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!』より。教育のタブーにも、ぜひ。

介護業界は離職率が高いし、求人難である。すでに中小零細は慢性的な人手不足であり賃金をアップさせることができる大手にこれから呑み込まれる。だが、生産性が高く、働き方改革を実現している合掌苑のやり方なら生き残れるだろうし、何よりも利用者にとっ…

村上龍 著『賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。』より。すべての教員は消耗品である。デモシ禍によって失われた教員への信頼を取り戻す。

今、わたしたちに必要なのは、幸福の追求ではなく、信頼の構築だと思う。外交でいえば、日本は、緊張が増す隣国と、「幸福な関係」など築く必要はない。しかし、信頼関係にあるのかどうかは、とても重要だ。幸福は、瞬間的に実感できるが、信頼を築くために…

401回目の投稿。猪瀬直樹さん、中原淳さん、藤原章生さんに感謝。他にもたくさん感謝。世界は贈与でできている!

いま僕が文芸家協会の会員にさせてもらい助かっているのは、健康保険である。文芸美術国民健康保険組合という形の国民健康保険への団体加入で、一般の国民健康保険よりかなり安い。遡れば、菊池のおかげになる。(猪瀬直樹『小論文の書き方』文春新書、2001…

アンデシュ・ハンセン 著『スマホ脳』(久山葉子 訳)より。運動と睡眠と、他者とのかかわりと。スマホはそれからだ。

デジタルライフが私たちの脳に与える影響――それに対する懸念は、鉄道酔いや電話の邪悪な魂や、催眠術をかけるテレビのようなものなのかもしれない。技術革新が起きるたびに、ハルマゲドンを予言する人が必ずいるものだ。とはいえ、今回はこうした懸念を深刻…

映画『ある人質』(ニールス・アルデン・オプレヴ監督作品)&『マル激(第1034回)』より。ある人質、あるIS、ある教員の視座。

この映画の主人公は、戦場カメラマンを夢見て不用意にシリアに迷い込んだデンマーク人の青年である。ISは活動拡大の初期段階で、数十名の西欧人を人質に取った。罪もない、力もない、冒険や名声を夢見て、あるいは理想主義に突き動かされて、紛争下のシリ…

小松理虔 著『地方を生きる』より。地方を生きるとは、エラーと生きること。優れた教師は、エラーの価値を知っている。

おかしいですよね。ローカルの話をしているのに、その外に出ろ、外を受け入れろ、と言っているわけですから。地域のことを考えようとすると、その地域のことを内に内に考えていくイメージが湧きますが、本書は結果的にそうはならなかった。むしろそこから外…

石井英真、渡辺貴裕、他『流行に踊る日本の教育』より。岩瀬直樹さんお勧めの基礎文献。Think different!

学校現場での教師による研究の場合、「仮説」と「検証」の関係は、「スパイラル」にはなっていません。「仮説」から「検証」への一方向的なものになっています。 というのも、一つには、基本的に、当初立てた「仮説」が否定されることはありません。~中略~…

猪瀬直樹 著『東京の敵』より。働き方を変えるためには、学校現場も「昭和16年」の逆を行かなければいけない。

あのとき、僕は「昭和16年」の逆を行かなければいけないという思いを強くもっていました。客観的データを恣意的に解釈して、都合の良いデータに変質させるのではなく、客観性を維持しながら、各団体のさまざまな思惑を一つにまとめあげることに腐心しまし…

成毛眞 著『2040年の未来予測』より。子どもも大人も、未来を予測して計画を立てる力をつける。

ここまで読みすすめたあなたは気づいただろうが、本書が示す将来はけっこう暗い。希望が持てるシナリオもいくらか示したつもりだが、絶望的な気分になった人も少なくないかもしれないので、最後にひとついっておこう。そこまで悲観する必要はない。なぜなら…

中原淳 監修、田中智輝・松村灯・高崎美佐 編著『学校が「とまった」日』より。余白をつくって、連携を。

私たちが、このプロジェクトを通じて、考察したかったことは、学校とは「授業を提供する」だけでなく、暗に、子どもの生活リズムをつくりあげ、健康を支え、子ども同士の関係をつくり、家庭を支えているのだということにほかなりません。 「学びがとまったそ…