田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、映画、旅行」

日垣隆 著『父親のすすめ』より。父として考える。

その後もまた居間のソファで息子が二時間くらいボーッとしたままだったので、さすがに怒りました。「お前、いい加減にしろ。日曜日を何だと思ってるんだ」と。ものすごく怒ったわけです。こちらは何とかこらえて、お昼までは我慢に我慢を重ねていたのだけど…

小田実 著『何でも見てやろう』より。「何でも見てやろう」主義は、教養主義の勧めであり、多比の勧めでもある。

出かけるにあたって、私は一つの誓をたてた。それは「何でも見てやろう」というのである。これは、行くからには何でも見ないとソンや、といういかにも大阪人らしい根性からでもあるが、もともと、私は何でも見ることが好きな男であったのである。それは私の…

岩田健太郎 著『「感染症パニック」を防げ!』より。発信と行動によって「残業パニック」を防げ!

リスク・マネージメントの途中においても、くり返し「目的」を明確にします。なんのために感染対策を行っているのか。その目的に今の行動は合致しているのか、を確認します。 ともすると日本人の場合、「がんばること」そのものを目標にしがちです。徹夜でが…

映画『プリズン・サークル』(坂上香 監督作品)より。他者の本音に耳を傾けることからしか出発できない。

(中略)たしかに言論を超えた真理も存在しよう。そしてそれらの真理は、単数者として存在する人、いいかえると、他の点はともかく少なくとも政治的存在ではない人にとっては、大いに重要であろう。しかし、この世界に住み、活動する多数者としての人間が、…

沢木耕太郎 著『青春の言葉たち』より。青春の子どもたちに贈りたい一冊。

沢木 最近、気がつくと、吉行さんが僕らにしてくれていたようなことを、僕たちは若い人たちにしてこなかった。彼らが望まなかったのかもしれないけど。僕たちが吉行さんたちと付き合っていた時のようには、向こうもこっちに来なかったしね。先日、V6の岡田…

沢木耕太郎 著『達人、かく語りき』より。旅が教えてくれたことと、おもしろい大人に「あう」ということ。

高峰 あんまり夢中になって、ずっと下向いて読んでたもんだから、顔がカボチャみたいに浮腫んでね。松山も読ませていただいて言ってましたよ、「よくないなぁ、こんな面白いもの書いて。これで日本の若者は我も我もってみんなリュック背負って外国に行っちゃ…

高濱正伸 著『夫は犬だと思えばいい。』より。雨だって楽しめる大人になるためには。

夏の夕立ちでずぶ濡れになって走ったあとの、こみ上げる笑いを知っている人ならば、傘のない帰り道で「もういいや!」とばかり、むしろ水たまりにビッチャンビッチャン靴を突っ込んで歩いた経験のある人ならば、「雨だからつまらない」とは決して考えないで…

為末大 著『「遊ぶ」が勝ち』より。昨夜、高濱ナイトに参加してきました。ゲストは為末大さんです🎵

幼い時のことだ。同級生に会いに行く母に連れられて、僕は喫茶店に出かけた。 待ち合わせの喫茶店に入った瞬間、母の姿を見た友だちが、いきなり「まき!」と呼んだ。「荒巻」という旧姓だった母は、どうやら高校時代に「まき」というあだ名で呼ばれていたら…

武田友紀 著『「繊細さん」の本』より。幡野広志さんお勧めの一冊。繊細さは武器になる。

ですが、こうした繊細さんは、決して人嫌いなわけではありません。心を許せる相手と深く話すのは好きだし、家族を大切にしていたりと、人そのものは好きなのです。 人と一緒に穏やかな時間を過ごしたい、もっと仲良くなりたいと思う一方で、長時間誰かと一緒…

映画『子どもたちをよろしく』(隅田靖 監督)より。子どもを育てる力は地域にこそある。

寺脇さんは、若い頃から破天荒な人だった。「俺はB級映画評論家だ。映画評論だけでは食えないから、役人やってるんだ」なんてことを言っていたのを覚えている。しかし、こうした衒奇的な言辞とは裏腹に、正しいと信じる政策を進めるときはなりふり構わぬと…

内田良、広田照幸、髙橋哲、嶋﨑量、斉藤ひでみ『迷走する教員の働き方改革』より。失われた日曜を求めて。

1960年代には多くの都道府県で、教員の超過勤務に対して残業代の支払いを求める裁判が続出した。その結果は、原告教員側の連戦連勝。裁判所は、教員も労働基準法の考え方でとらえるべき労働者である、という判断を下していたのである。(内田良、広田照…

西野精治 著『スタンフォード式 最高の睡眠』より。90分の黄金法則 ≒ 黄金の3日間。

日本だと電車通勤が多いと思うが、よく席に座って眠っている人を目にする。 ちなみに電車内の仮眠はたいていノンレム睡眠だ。体がぴくぴくしたり眼球運動が出ない人の方が多いだろう。座ったままの不安定な姿勢では、そう簡単にはレム睡眠は出てこないのだ。…

門田隆将 著『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日』より。イデオロギーと「人として」の意味と『Fukushima 50』。

国家のリーダーとしての孤独を、菅はこう語った。「あの一週間は、すぐ隣の公邸にも帰らずに、夜も総理執務室の奥の応接室のソファに、防災服のまま毛布をかぶって寝ていました。一人になった時は、こう頭に浮かぶわけですよ。日本はどうなるかな、と。まさ…

三浦しをん 著『本屋さんで待ちあわせ』より。コロナ禍だからこそ、読書を。

本を読めば人格が磨かれ、知識が深まり、情緒が豊かになるかというと、そうでもないことは我が身で検証済みだ。むしろ、家に籠もる時間が多くなるので人見知りになり、脳内でこねる屁理屈だけは立派で、毒にも薬にもならぬ夢想に遊び疲れてさっさと就寝する…

隈研吾 著『ひとの住処 1964-2020』より。建築と教育は似ている。

武士道の実現のために身を挺して働くことが求められ、設計事務所の若い所員たちの徹夜が美徳とされた。この武士道システムによって、日本の建築デザインのレベルは世界最高といわれるレベルに到達した。建設業界が世界最高の質の建築を生み出したように、建…