田舎教師ときどき都会教師

テーマは「初等教育、読書、旅行、映画」

宮口幸治 著『ケーキの切れない非行少年たち』より。ケーキの切れない非行少年たちに、クリスマスケーキを!

私が本書を書こうと思ったきっかけは、本文中でも引用した元衆議院議員の山本譲司氏の著書『獄窓記』(新潮文庫)を読んだことでした。さまざまな障害を抱え、本来なら福祉によって救われるべき人たちが、行き場がないがゆえに罪を犯して刑務所に集まってし…

小熊英二 著『インド日記 牛とコンピュータの国から』より。倍率は下がっているものの、教員になりたいと思っている人は意外と多い。

値切るという行為は、いわばその行為を通して、「顔見知り」になる手間を支払うことであるともいえる。その手間を惜しむならば、金をよけいに払うか、毎日きて自然に顔見知りになって安くなるのを待つかという手順を踏むのだろう。貨幣はすべての価値を数字…

ヤニス・バルファキス 著『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』より。がんばる子どもはOK。でも、がんばりすぎる教員はNGかもしれない。

しかし市場社会では、漁師はみな起業家として競争しあうことになっているので、競争に反する約束(や法律)は起業家精神に反する。地元のパブでビールを飲みながら、100人の漁師全員が、漁をするのは1日1時間にするのが合理的だと同意しても、実際には…

大谷ノブ彦、平野啓一郎 著『生きる理由を探している人へ』より。バンコクの美人と美人だった同級生の話。

『私とは何か』の中でも書いたんですけど、「分人という考え方は八方美人のススメなのか?」って聞かれることがあるんですね。だけど、それはまったく違っていて、両者はむしろ逆なんですよ。分人を考える人は、「相手によって自分が変わる」ということを理…

寺脇研 著『それでも、ゆとり教育は間違っていない』より。ゆとり教育は間違っていない。忘年会スルーよりもサビ算スルーを。

人間力というのはどんな権威あるブランドや金よりも、人を魅了し生き方を変える力を持っている。 例えばこの本の編集者である澤田氏も、寺脇氏に「説得」された一人だ。高校時代、学校や授業のあり方に大きな疑問を抱き、上京して単身、文部省に乗り込み、「…

是枝裕和、樋口景一 著『公園対談 クリエイティブな仕事はどこにある?』より。明日は「忘年会スルーの反対」です。好き ⇔ 嫌い。

僕は、今の自分が、若い頃に考えてきた自分よりも保守的な気がしているんです。今年のお正月も、十数人で新年会をやって書初めをした。そういうのが意外と嫌いじゃない。お年玉配って、みんなでボーリングして、焼き肉食べて、今年も頑張りましょうと言って…

國分功一郎 著『暇と退屈の倫理学 増補新版』より。通知表よりも面談を、3期制よりも2期制を、退屈よりも興奮を。

楽しむことは、しかし、けっして容易ではない。容易ではないから、消費社会がそこにつけ込んだのである。 ラッセルはこんなことを言っている。「教育は以前、多分に楽しむ能力を訓練することだと考えられていた」。ラッセルがこう述べることの前提にあるのは…

坂口恭平 著『家族の哲学』より。パパはおかしくない。

「アオちゃんは何を書きたいの?」 アオは力いっぱい「せ」と書いている。「せ?」「今日、国語の授業で習ったの。だから、書いてみたかったの」 私の涙はいつまでも止まらない。「早く、パパも書いてよ」 ようやく鉛筆を動かした私は、漢字で「幸福」と大き…

コルクラボ 編『居心地の1丁目1番地』より。コルクの社員さん presents 映画『マチネの終わりに』を語る会🎵

本の制作過程からわかったことは、コルクラボは居心地のいい居場所を設計しようとしていることでした。それは、コルクラボが掲げる4つの行動指針にも表れています。 1 自分の安心安全を知る 2 自分の言葉を紡ぐ 3 好きなことにのめりこむ 4 人の頼り方…

前野ウルド浩太郎 著『バッタを倒しにアフリカへ』より。「幸せのハードル」と「小確幸」について。

一度、ラマダン中とは知らずに野外調査に出向いたことがあるが、炎天下でもモーリタニア人は一口も水を飲まなかったので、熱中症にならないか心配していた。ただでさえ厳しい自然環境なのに、何ゆえ過酷な状況にその身を追い込むのか。答えを求めて自分も彼…

トーマス・マン 著『魔の山』より。教員の時間感覚についての補説。

一般には、生活内容が興味深く新奇であれば、そのために時間は「追い払われる」、つまり時間の経つのが短くなるが、単調とか空虚とかは、時間の歩みにおもしをつけて遅くすると信じられているが、これは無条件に正しい考えではない。一瞬間、一時間などとい…

坂口恭平 著『思考都市』より。描きたいことを、描けばいい。

ある日、喫茶店で打ち合せをしていて 支払いのとき、レジ裏の棚に豆本が並んでいて そのおかげで、この未来工房の作品群を知った。 グーグルにのっていない情報を見つけること。 それが僕の仕事でもある。(坂口恭平『思考都市』日東書院、2013) 未来工房の…

乙武洋匡 著『ただいま、日本』より。我慢強さよりも、自由を。

英語には「過労死」に該当する単語がなく、「KAROSHI」と表記されるという。仕事は生活のためにすることなのに、なぜ日本人は仕事のために命を落とすのか、まるで理解できないと言われるが、返す言葉がない。死に至らずとも、ストレスから心身を蝕ま…

最相葉月 著『星新一 1001話をつくった人』より。1001話をつくった星新一 VS 1001コマ以上の授業をもつ教員

でも、1001編を書き上げてからは、家族で過ごすことが多くなり、心は少し和らいだようだった。~中略~。 ある日、若い編集者が家にやってきたとき、壁に飾っていたピカソやビュッフェのリトグラフを見て驚かれたことがあった。 すると新一は、「いやあ…

沢木耕太郎 著『銀河を渡る』より。沢木耕太郎さんと田辺聖子さんに学ぶ、てっぺんとふもとと三合目。

会社づとめをしている人の中に、出世することより現場の仕事を愛するという人がいる。「てっぺん」好きの人は、そんな人のことを軽蔑したりする。しかし、と田辺さんは言うのだ。《私はといえば、ふもとや三合目をみずから望んで、人生をたのしんでいる人が…